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V.A. 「ロマンチスト THE STALIN・遠藤ミチロウ Tribute Album」 「青鬼赤鬼 遠藤ミチロウ 還暦 & 30周年トリビュート」

ロマンチスト~THE STALIN・遠藤ミチロウTribute Album~

ロマンチスト~THE STALIN・遠藤ミチロウTribute Album~

今年で還暦 & デビュー30周年を迎える遠藤ミチロウのトリビュート盤。


嫌ダッと言っても愛されまくり。パンクロックという音楽性のみに留まらず、そのラディカルな精神性、文学性、カリスマ性は未だに強い求心力を放っています。ここに参加しているアーティストはキャリアもスタイルも様々ですが、全員が確実にミチロウへの強いシンパシーを抱いてる。現代版ヘヴィロックにアップデートされた WAGDUG FUTURISTIC UNITY 「ロマンチスト」 、致死量以上のエモーションが迸る銀杏BOYZ 「JUST LIKE A BOY」 、まんま 「蛹化の女」 になるかと思ったら全然違った戸川純 「カノン」 、冷血デジタルハードコアな AA= 「先天性労働者」 、ゴスとフォークを奇跡的に融合させた BUCK-TICK 「おまえの犬になる」 、性急なスピードの中に枯れた味を出した MERRY 「オデッセイ・1985・SEX」 、デス/ブラックの混沌へと引き摺り込む DIR EN GREYワルシャワの幻想」 、悪夢から覚めたかのようにファンタジックな世界が広がる YUKI 「ア・イ・ウ・エ・オ」 など。全員が全力で自らの個性をぶつけ、曲によってはまるっきり変貌してるのに、音の向こう側にはぼんやりミチロウが見える。これこそトリビュートの理想形。遺伝子の種が咲かせた花束です。


Rating: 8.6/10



青鬼赤鬼 ? ザ・スターリン・遠藤ミチロウ還暦 & 30周年トリビュート ?

青鬼赤鬼 ? ザ・スターリン・遠藤ミチロウ還暦 & 30周年トリビュート ?

上のはメジャー流通盤で、こちらは同時発売のインディーズ流通盤。


ミチロウ本人のレーベルからリリースされ、実際にコメントも寄せている辺り、おそらく現在のミチロウにとってより強い気持ちが入ってるのはこっちかと。メジャー盤はアーティストが多彩なぶん楽曲の方向性もヴァラエティに富んでいましたが、こちらはほとんどがアコギ1本の弾き語り。そうでなくても基本的に音の派手さよりもその歌詞を切々と伝えようとする、歌重視/世界観重視のスタイルで統一されています。柔らかな声の朗読とともに情景が広がる三角みづ紀ユニット 「早すぎた父親」 、その凄絶さに思わず背筋を正される友川カズキ 「思惑の奴隷」 、穏やかなウッドベースがそこはかとなく 「闇」 を演出するふちがみとみなと 「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」 、ヴァイオリンの狂おしい響きが情感を際立たせる火取ゆき 「溺愛」 、あまりに生々しく、緊張感と説得力に満ちた遠藤賢司 「午前0時」 、完全にウチナー節となった新垣優子 「我自由丸」 など。ミチロウが目指した表現の本質に迫る、生身ひとつ、シンプルだからこその深み。彼という個性が別の側面からクローズアップされた、こちらもまたトリビュートの秀作です。


Rating: 8.4/10


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