Wire 「Red Barked Tree」

Red Barked Tree

Red Barked Tree

ロンドン出身の4人組による、2年半ぶり12作目。


俺はワイヤーに関しては初期の3枚しか聴けてないんですが、まずはそこから。ロンドンパンク全盛期に独自のセンスでポストパンクを先取りした 「Pink Flag」 、シンセや音響性を導入してニューウェーブ方面へと舵を取った 「Chairs Missing」 、その路線を押し進めてポストパンクからもほとんど離脱した 「154」 。この3枚だけを並べてもその音楽性の異形さ、加えて変遷の鮮やかさに結構な衝撃を受けました (俺は 「Chairs Missing」 が一番好き) 。それから30年の時を経て今作。 「ロックじゃなけりゃ何でも良い」 とは彼らの有名なスローガンですが、じゃあ結局のところ何なのか。実はロックだったりして。贅肉を削いだディストーションと柔らかなサイケデリアがありつつ、昔に比べるとダークな緊張感が抜け、音作りや曲構成においても随分と真っ当になった印象を受けます。 「Moreover」 「Smash」 などは Fugazi などの US エモ/ハードコアに通じる面も見せたり、十分なくらいジャストにロックしてると思う。それでも一切の感情が入る余地を見せず、なおかつ妙に惹き込む地場を放つ、そんな捻れた中毒性は変わってない。ワイヤーがやるからこそ意味のある音楽ですね。


Rating: 7.0/10
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