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CRYSTAL CASTLES JAPAN TOUR 2011 @ 心斎橋CLUB QUATTRO

LIVE


「この度、ワールドツアー中にヴォーカルの Alice が足首を骨折してしまい、ドクターストップがかかってしまいました。しかし本人のどうしてもという強い希望により、今回のライブは予定通り開始させていただきます。」



苦戦だった。


トロント出身の男女ユニット CC 。昨年リリースされた 2nd はスタイリッシュだけどシュール、かつ奇妙な毒を孕んだエレクトロポップの秀作でした。これが3度目の来日になるのかな。俺が初めて見たのは2008年のサマソニ。その時のキレたパフォーマンスも印象に残っていたので今回のライブも楽しみににしていたのでした、が。予定時刻を20分ほど回ってもメンバー現れず、代わりにクアトロのスタッフがステージに上がり、客にアナウンスされたのは上記の内容。彼らの心意気に嬉しさと一抹の不安を覚えつつ、ライブは開始されました。ステージ上には LED の取り付けられた鉄骨が並び、物々しい雰囲気を醸す。完全に照明が消えた中、サポートドラマー、マニピュレーターの Ethan 、そしてヴォーカルの Alice 、皆が深くフードを被って登場。 Alice は松葉杖をつきながら。


1発目はアルバムと同じく 「Fainting Spells」 。スカムなノイズ、緩やかに脈打つ4つ打ちビート、ストレンジな浮遊感のシンセ、ヒステリックな叫び声。音源よりも生ドラムの乾いた響き、ハードで無機質なリズムが強く響いてくる。そして嵐のようなストロボ。この日はストロボの使用が激しく、全ての挙動が細切れに映るくらいに光と影が切り替わり、視神経をアグレッシブに刺激する。 曲間では暗がりの中でノイジーに鳴らされるシンバルが緊張感を煽ったり、メンバーのゴスい出で立ちも含めて、さながらエレクトロ・サバト。エレクトロ系のライブって下手したら単なるカラオケになりかねん場合もあると思うのですが、彼らは音や演出に工夫を凝らし、しっかりライブアクトとして魅せてくれていました。


肝心の Alice は骨折してるにも関わらず柵に登ってフロアを見下ろしたり、激しく身体を揺さぶるなどして客を煽る。華奢な身体、しかも負傷の身でありながらもパワフルに気を発する、その姿は純粋に、見入ってしまうほど格好良かったです。いつぞやの Yeah Yeah Yeahs の時も思ったけど、フロントを務める人間がアイコンとして魅力を発してるバンドは強いですね。客の中にも Alice に影響を受けたと思しきメイクでキメた女子が多数見受けられたし、やはりフロントマンにはカリスマ性がないとダメだ。その点、彼らはとても魅力的。


それと改めて思うのはこのユニット非常にキラーチューンが多い。セットリストは 1st と 2nd からバランス良く組まれており、いずれも4つ打ちのダンスグルーヴとフックの効いたシンセフレーズがメイン。シンプルではありますが彼ら独特のテイストは十分確立されていて、しっかり身体に響いてくる。瞬間の闇を切り裂くような爆発力の 「Doe Deer」 、呻きのような声が徐々にメロディにすり替わって始まる 「Celestica」 、不穏なダークネスを充満させる 「Empathy」 からそのムードを一気に吹き飛ばす 「Reckless」 など。アグレッシブなパフォーマンスが特徴の彼らだけど、曲は意外なくらいクールでポップという、そのギャップがまた面白いのだな。ラストの 「Intimate」 では上モノもシンバルもジャンジャン鳴らしてカオティックなノイズを発し、エナジーを最大限まで膨張させていく様に強く興奮しました。


アンコール含めても1時間ちょいという短いアクト。それでも彼らの魅力は十分に楽しめました。もともと短期集中系のユニットなのでこれくらいでもちょうど良い。メンバー的には不本意な内容だったかもしれませんが、ある意味で彼らの逞しさ、底力を感じられた、特殊な経験ということで良いライブだったと思います。


あやふやなセットリスト↓
1. Fainting Spells
2. Baptism
3. Courtship Dating
4. Doe Deer
5. Crimewave
6. Suffocate
7. Air War
8. Alice Practice
9. Black Panther
10. Celestica
11. Empathy
12. Reckless
13. Untrust Us
14. Intimate
(アンコール)
15. Not In Love