毛皮のマリーズ 「ティン・パン・アレイ」

ティン・パン・アレイ

ティン・パン・アレイ

わずか9ヶ月のインターバルで完成したメジャー2作目。


前作以上の確信犯。以前のガレージロックンロールバンドの面影はほとんどなくなり、キーボード、管弦楽器、少年団コーラスまで従えた完全ポップス志向の内容になっています。50〜60年代のオールディーズに対する憧憬、それをインテリジェントな視点から解釈/再構築し、現在のどの若手とも一味違う思想を提示した、これほど狙いが明確で良いのかというくらい批評的な内容。これはもう聴き手がどれほどの音楽的文脈を理解してるか、または以前の彼らにどれだけ思い入れがあるかによって響き方もガラリと変わってくると思うのですが、俺様至って文脈も思い入れも薄い人間であり、そもそもどれだけの含蓄があっても大元の鳴ってる音自体がしょうもなかったら何の意味もない主義の人間なので、その上で言いますね。これとても良いと思う。素朴ながら自然に耳を惹きつけるメロディ、少しばかりの毒を孕みつつ朗々とした歌声、それを品のある華やかさで彩るカラフルなアレンジ。もちろん知識を携えて聴いた方がより楽しめるはずですが、それ抜きでも普遍的なポップスとしての魅力が宿ってると思う。 「Mary Lou」 とても良い曲ね。


Rating: 8.4/10
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