The Decemberists 「The King Is Dead」

The King Is Dead

The King Is Dead

オレゴン出身の5人組による、1年10ヶ月ぶり6作目。


個人的に聴くのは 「The Crane Wife」 以来。その時はフォーク/カントリーの素朴な暖かみを基調としながら、長尺曲をテクニカルな演奏で聴かせるプログレッシブな側面も強く感じました。しかし今回ではそういったプログレ要素は後退し、えらくオーセンティックなフォーク・ロックになったなという印象を受けます。もちろん単に気が抜けてセルアウトしたわけではなく、細部まで丁寧に練り込まれたアレンジ/演奏、また良質のメロディセンスも健在。全体通してリズム隊のタフな力強さがアンサンブルをグッと引き締まったものにしてると思います。心地良い疾走感のある 「Calamity Song」 や、特にロック的な躍動感の強い 「This Is Why We Fight」 などは分かりやすいかと。必要なものが必要なぶんだけ詰まってるという感じですね。ただやはりこちらとしては必要以上の 「無駄」 も大事なファクターではないのかなー、と思ったりもします。彼らの持っていたプログレ性はメロディの味を無理なくダイナミックで聴き応えのあるものにしてたと思うので、少し残念な気持ちもある。まー今回は 「こういうのもある」 という多様性の提示ですかね。


Rating: 6.6/10
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