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L’Arc〜en〜Ciel 「DUNE」 「Tierra」 「heavenly」 「True」

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TWENITY 1991-1996

TWENITY 1991-1996

はい来ました。今年の総ざらい企画第2弾でございます。断続的なシングルのリリースなどはあったものの、ここ数年はソロ活動の方が活発だったラルク。今年は結成20周年ということで本格的に活動再開、まずはこれで何度目かわからんベスト盤3枚同時リリースから。まあヴィジュアル系って阿漕な商売だしねー (おこられる!) 。とりあえずこのベストに合わせて過去のラルク作品をざーっと振り返ってみたい思います。まずは1991年から1996年の間に発表された4枚。



DUNE

DUNE

唯一のインディーズ流通の初フルレンス。2007年にボートラ追加&ジャケ新装で再発されてます。


この時点でラルクとしての個性は相当に完成度高いです。 hyde の大きく翼を靡かせるようなミッドローヴォイス、クリーントーンを主体として幻想的な透明感を打ち出したアンサンブル、そして全体に仄かに流れるエキゾチシズム、あるいはエロチシズム。特に力強く開放的なメロディが素敵な 「Voice」 、妖艶な憂い/翳りを帯びた 「Flood of Tears」 、初期の代表曲として名高い 「As if in a dream」 など名曲揃い。俺がリアルタイムでラルクを聴いてたのは 「True」 からなので、当時の状況は話で聞くのみなのですが、荒々しくダークな路線が主流だったエクスタシー最盛期のこの頃に、彼らのようなバンドの台頭は衝撃的だったとのことです。その衝撃度も実際に聴けばひしひしと感じられる。最近とでは音楽性の違いは当然あるものの、テクニックの未熟さや青さなどをほとんど感じさせず、現在でも 「ラルクの作品」 として十分聴かせられる強度を保ってるのは凄いことなんじゃないかと。おそらく最近の若手バンドマンでもここが出発点だった人間は多いでしょう。デビュー作にして確固たる世界観を提示した名盤。今から聴くならもちろん再発盤ね。ボートラの 「予感」 も必聴。


Rating: 9.0/10



Tierra

Tierra

1年3ヶ月ぶり、メジャーデビュー作となる2作目。


前作の路線を引き継ぎつつ、全体的にキーボードやアコギの音色が増し、メロディもより起伏に富んでキャッチーになったりと、曲の密度と幅広さを増した順当なステップアップ。それに伴って早くも安定感のようなものが出てきました。そうなると各メンバーの演奏力の高さもよく分かりますね。 The Smiths にも肉薄するギターのクリーントーンの鮮やかさ、その裏でグリングリン這い回るベースラインも強く耳を惹きつける。壮大なスケール感で突き抜けるオープナー 「In the Air」 、木琴も導入してしっとりとエキゾチックな妖艶さを見せる 「Wind of Gold」 、あまりにも目映い輝きを放つ初シングル曲 「Blurry Eyes」 、ボサノヴァ風味の柔らかさとディストーションの対比が面白い 「眠りによせて」 など。この頃の彼らはトラッド的なエッセンスを楽曲の中に上手く取り入れてるのが特徴。それが何処かしら霞みがかった蜃気楼のようなイメージ、魅力に繋がっています。最初はちょっと地味なイメージがあったけど、改めて聴くと10曲それぞれバランス良く粒立ってると思う。耽美的な繊細さを増しながら、ポップスとしては強度を増した傑作。


Rating: 8.4/10



heavenly

heavenly

1年2ヶ月ぶりの3作目。


ムーディで落ち着いたイメージの強い 「Tierra」 に比べるとアッパーなロック色が強く、メジャーバンドとして一層外に開けてきた印象があります。眩しい朝日が差し込むように勢い良く開ける 「Still I'm With You」 、ザックリしたラウドな厚みが新鮮な 「and She Said」 、キュートに跳ねる曲調で彼らのポップネスの上限を更新する 「C'est La Vie」 、またこちらは深海から水面へ上昇するかのような浮遊感で幻想性を更新する大曲 「静かの海で」 、バタついた疾走感の曲調がクローサーというのは少し意外な 「The Rain Leaves a Scar」 など。全体的にリズムの躍動感が強く出てるのが一番の特徴で、前作の 「静」 に対する 「動」 という、やはり分かりやすく順当な一手を出してきたという感じ。決して悪いわけではないんですが、3作目ともなると様式と言うかある種の 「枠」 が生まれ始め、このアルバムはその枠内、想定内における一枚ということで若干の物足りなさもあったり。それまでの満足度が高かった故の贅沢な話なんですけどね。個人的にここはラルクのキャリアの中でも過渡期にあたる印象。


Rating: 6.8/10



True

True

1年3ヶ月ぶり、初のチャート首位&ミリオンヒットを記録した4作目。


殻を破った。一番の変化は岡野ハジメなどの外部プロデューサーを多数起用した点。それによって従来の耽美テイストを残しつつ、アレンジの幅は広がって数段カラフルになり、メロディも J-POP としての強いフックを備えた、語弊を恐れずに言えば 「対ヒットチャート」 な仕上がり。直球4つ打ちハウスの軽やかな速度で流れる 「Caress of Venus」 、後の彼らの主流となる荒々しく挑発的なロックンロール 「Round and Round」 、ゲストにスカパラ参加の目一杯華やかな 「the Fourth Avenue Café」 、幸せたっぷりのコーラス隊がホワイトクリスマスを演出する 「I Wish」 と、楽曲毎にバンドという枠に囚われない様々な趣向を凝らしていますが、それらのアイディアに全くスベりハズしが見当たらず、新境地の魅力として鮮烈に映る。これだけチャレンジングな創作意欲をバンドの血肉にしっかり溶かし込めたのは、当時の彼らが脂の乗った勢いを見せていた時期だったからこそ成し得た業ではないかなと思います。本当に全曲シングルカット可能なくらいの充実度。彼らがお茶の間レベルの国民的バンドとしての歩みを始めた、その第一歩にしてポップアルバムの大傑作。


Rating: 10.0/10


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