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L’Arc〜en〜Ciel 「REAL」 「SMILE」 「AWAKE」 「KISS」

TWENITY 2000-2010

TWENITY 2000-2010

ラルク総ざらいのラスト。2000年〜2010年までの4枚です。


REAL

REAL

約1年ぶりとなる8作目。


2000年代に入るとラルクニュータイプ。前作以上にクリアに洗練された音像がありつつ、 yukihiro の影響であろうテクノ/インダストリアルの要素、また後のラルクへと繋がるハードロックの要素がより密接にバンドの骨格に組み込まれており、アレンジの密度が増してまた新たな面を見せています。モロに SOFT BALLET を意識した疾走デジロック 「get out from the shell」 、ザクザク刻むへヴィネスの 「THE NEPENTHES」 、過去最高にストレートなロックンロールナンバー 「ROUTE 666」 など、ロックバンドとしてのアグレッシブな側面を強く打ち出しつつ、各メンバーの個性も楽曲毎に表れ、結果ヴァラエティに富んだ内容になっています。しかし個人的にはこの幅広さが逆に足かせになってないかなーという思いがある。メインを占めるロック曲と 「finale」 「a silent letter」 などの幻想的な曲が混在してるのが、殻を完全には破り切れてない中途半端さに繋がってるような。アルバム全体として見ると少々ちぐはぐな印象が残りました。あと 「bravery」 の露骨な歌詞はある意味とても tetsu らしくて笑ってしまった。


Rating: 6.4/10



SMILE

SMILE

各メンバーのソロ活動を挟んでの9作目。


この頃になると各メンバーのカラーがより一層色濃く出始めてきた感があります。 hyde の歌声は幾分かミッドローを強く意識するようになり、 ken は HR/HM 由来のブルージーなリフを刻み、 tetsu は J-POP の王道たるポップネスを貫徹、 yukihiro は冷静に無機質でスクエアなグルーヴを叩き出す。各々がまるで違う方向を向いてるようで、この4人がまとまるとラルクとして成立してしまう不思議。そしてこのアルバムはおそらく hyde と ken の嗜好が色濃い。ロックンロールバンドとしての側面を強く打ち出した攻めの姿勢。突き抜けた疾走ナンバー 「READY STEADY GO」 はその最たるものだし、 「Lover Boy」 「REVELATION」 などもザラついたギターサウンドが印象的な激シブロックチューン。スマイルなんてタイトルが何処から来たのか疑問なほどビター。そのぶん 「瞳の住人」 の超スウィートな美麗バラードへの急降下っぷりには脱臼しそうになりますが。いやこれ単体では良い曲なんですけどね。前作の 「finale」 といい、以前のラルクと現在のラルクの方向性の乖離を無理に一枚に収めてるのがやはり気にかかるのだよな…。でも変わり続けるのはきっと良いこと。


Rating:: 7.0/10



AWAKE

AWAKE

1年3ヶ月ぶりの10作目。


おそらく今作が最もジャケットから中身を想像しやすい。ロック路線を邁進、というかここまでくるともう hyde や ken のソロとほとんど区別がつかなくなるな。 「New World」 や 「Killing Me」 、 「自由への招待」 といったシングル曲で象徴されてるように、イキ良くドライブする疾走ロックンロールナンバーが一層目立つ内容。 「AS ONE」 に至ってはもはやモダンへヴィネスです。これはおそらくラルク史上最もアグレッションの強い曲。そしてそれらのアッパー曲に真っ向から対峙する 「叙事詩」 「Ophelia」 などの耽美ポップ。以前からこの両路線は混在してたけど、今回特にその2つがパックリ両極に分かれて聴こえる。この2本柱のバランスこそがラルクなのだと言われれば確かにそうなのだけど、そのどちらかに振り切れてるメンバーのソロ諸作と比較すると、どうしても中途半端な感覚は否めないかなーと。 tetsu と yukihiro の存在感が薄く、バンドのバランスを欠いてるような印象があるのですね。個人的にはラルクとして練り込みがちょっと足りない、聴きどころに乏しい内容だなと思いました。


Rating: 5.8/10



KISS

KISS

2年5ヶ月ぶりの11作目。


ラルクラルクたる必須ファクターとは。それは 「ポップ」 であるということだと、俺はこの作品を聴いて再確認しました。数作続けて荒々しくへヴィな 「ロック」 モードをアピールしていた彼らですが、今作は驚くくらいポップでカラフル。それまでの経験を踏襲した太い音の鳴りはそのままに、10年若返ったみたいなメロディの派手な高揚感が何ともフレッシュに響く。全編がサビの勢いで超アッパーに輝く4つ打ちチューン 「SEVENTH HEAVEN」 を皮切りに、彼らならではの優秀なメロディセンスが冴える 「MY HEART DRAWS A DREAM」 、哀愁と妖艶さを帯び始める 「ALONE EN LA VIDA」 、スリリングかつ獰猛にドライブする 「THE BLACK ROSE」 、ディズニー世界のようなゴージャス感も味方に付けたスウィングナンバー 「Hurry X'mas」 など。どうも乖離しがちだったロック要素とかつての幻想性、ポップネスがここでは絶妙のバランスで統合され、装飾も煌びやかにブーストされた秀曲の応酬。シングル曲が多いというのもあって窓口は広く、初心者の方はここからでも OK かと。個人的にも久々のスマッシュヒットでした。


Rating: 8.4/10



これにてラルク総ざらい終了ー。読んで頂ければ分かりますが基本的に初期〜中期厨のオッサンファンであり、2000年代以降の作品は正直ちゃんと聴けてなかったのですけど、改めて振り返ると色々と発見も多かったです。現時点での最新作 「KISS」 でもそのクリエイティヴィティがまだまだ衰えてないことを示したわけだし、まだまだこのバンドは美味しいですよ。懲りずにチェックチェック。


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