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「Kaleidospace002」 @ 難波ROCKETS

LIVE


難波ROCKETS って何処にあるんだい?




「関西、関東を拠点として80年代の色を感じさせる音楽を主軸とする」 イベントとしてスタートした Kaleidospace 。第2回となるこの日のテーマはダーク、ゴシック、デカダン。といってもメタルやヴィジュアル系のソレではなく、あくまで80年代に焦点を当てたゴシック、すなわちポジティブ・パンクですね。非常に俺好みの興味深いラインナップということで行ってきました、がー。


仕事終わってダッシュで駆け付けたものの、普段あまりミナミに来ない俺。携帯の地図を片手に奔走するも盛大に道に迷う。多分俺は 「道なり」 の意味をきちんと理解できてない。コンビニとかで道を聞いてまるっきり正反対の方向へ走っていたことに気づいて愕然としたり、正しい道を聞いたものの走ってるうちにみるみる人通りが少なくなって不安に襲われたりしながら、やっとこさ到着。かつてはラルクのホームグラウンドでもあったロケッツ。老舗というだけあって小汚いなー。キャパ約300、ステージが高めなのはいいけどフロア中央にデカい柱がドーン、あとやっぱり道がわかりづらいのであまり分かり合えそうにはないハコだなと思った。途中参戦。


SPEECIES
早速濃いのが出て参りました。関西を中心に活動する4人組。ヴォーカルの SADIE PINK GALAXY (凄い名前だな) は最近石井秀仁と組んで XA-VAT としても活動中。秀仁氏が何故彼とタッグを組んだのか。実際に音を聴けば一発でわかるし、その前にルックスを見ただけで分かる。80年代ニューウェーブグラムロック/パンクの交差点があるとすれば、そのうちのひとつはきっと Sigue Sigue Sputnik 。彼らのモチーフはそこに直結します。流線型のプロテクターにスパイキーなヘアセット。近未来的でギラついた攻撃的ヴィジュアル。アッパーに攻め立てるエレクトロビート・ロックンロール。アゲアゲのイケイケでございます。 SADIE 氏は長身でスタイリッシュ、グラマラスなオーラを発揮しており、フロントマンとしての華が感じられました。何処か飄々とした不敵なキャラも秀仁氏に通じるものがあるかも (笑) 。ある意味これがニューウェーブだと端的に説明できる、アイコン的存在。ビシビシと刺激を受けました。


LILLIES AND REMAINS
京都の4人組。てっきりトリだと思ってた。イベントのタイトルは万華鏡だけど、ここに展開されるのは色味の無いモノクロのサウンドスケープ。昨年の 「MERU」 ではシンセを取り入れたりもしてましたが、ライブはやはり純粋に4人の音、それ以上に何もない。鋭く研ぎ澄まされたギターサウンド、クールな熱を帯びて疾走する直線的グルーヴ。ビートパンク一歩手前のソリッドさ。音作り含めて本当にシンプルなアンサンブルなのだけど、それがこのバンドならではの独自のダークネスを生み出していて、ひり付くような緊張感とともに突き刺さってくる。そんな中で時折顔を出すポップなメロディに意表を突かれることもあり。近々出る新作からの曲も披露されましたが、そちらはそのポップネスが強化されてる感。もちろん 「Moralist S.S.」 などの過去曲のストイックな刺激が心地良いのは勿論。彼らもまた日本のロックシーンの中で独自のスタンスを持って進んでいますね。その独自性をしっかり体感できました。


PLASTICZOOMS
本日のトリ。東京からお越しのゴシックカルチャー集団。2009年の 1st 「CHARM」 がなかなかの秀作だったのでこの日も非常に期待しておりました。セッティングが終わり、幕が開いた瞬間からストロボの容赦ない連続。全てを細切れに映す目映い光とスモークの中、メンバー登場。全員が黒に身を包んだ6人編成。


1曲目は 「Love」 。ノイジーな切り裂き魔的ギタープレイとシンセ音が飛び交い、ヴォーカルは鋭い眼光を飛ばしながらヒステリックなシャウトを繰り返す。 「Under///Black」 では性急さを増したディスコビートが熱を上げ、 「The Shadow」 では一転してシューゲイザーにも通じるギターの厚みが優しく靡く。ノイズを軸にポストパンクからシューゲイザー、クラブサウンドに至るまでを行き来し、その全てにゴシックの美意識を貫き通す。神経を逆撫でるような毒気とオルタナティブな荒々しさ。退廃的に、アグレッシブに、挑発的に迫る。ゴシック/ポジティブ・パンクというジャンルが一面的なものではない、その懐の深さを体現する充実した音楽性。彼らのセンスの鋭さを改めて認識させられました。 「CHARM」 からの曲を一通り演り終えた後は新曲も披露。一層ドギツさを増す彼ら流のディスコサウンド 「BUG」 、心地良い疾走感とトリップ感に満ちた 「WITCH」 、彼らのポップサイドを開拓する 「PINK SNOW」 。これらも従来の彼ららしい個性を打ち出しつつ、ネクストステージへと向かうクリエイティヴィティの高さをアピールする良曲でした。


各々スタイルは違えど、上の3組は表現に対するアティテュードにおいて共通するものがある。手作りのアクセサリーを販売する、服飾/雑貨店も経営するなどファッション/視覚面に対しては強い拘りを持っています。ニューウェーブという不定形のジャンルをバックボーンに持つものの性でしょうか。楽曲の制作のみに留まらず、ヴィジュアル、精神姿勢も重視した、多角的なトータル・カルチャーとして捉えるということ。ルーツへの強い愛着をいかに現代のフィルターを通し、打ち出していくか。枠を作っては打破していく挑戦。そうしてオリジナリティを生み出していく。とにかく自分たちの世界観を構築するという強い美意識を、いずれのバンドからも感じることができました。