シド 「dead stock」

dead stock(初回生産限定盤A)

dead stock(初回生産限定盤A)

1年7ヶ月ぶりとなる通算6作目。


いつの間にやら東京ドームまで上り詰めて、すっかりビッグになった彼らでありますが、曲を聴けば確かに分かる。相変わらず曲作りも演奏も凄く巧い。多彩なギターワークにタイトなリズム隊、艶っぽく伸びやかなヴォーカル。 「NO LDK」 の4つ打ちディスコに始まり、 「cosmetic」 の歯切れ良いカッティング、 「dog run」 の華やかなフルオケ/ホーンセクション、 「乱舞のメロディ」 「one way」 の王道ポップロック等々、場面ごとにボサノヴァやジャズの風味も取り入れつつ、 J-POP の約束をきっちり踏まえる楽曲群。この洒脱な感覚が彼らの個性で、ショウマンシップも見せる懐の深さ、余裕すらも漂わせる力量。ただやはり巧すぎるのだよなー。本当に完成度高くソツがないと思うのだけど、その器用さ故にアクの強さや取っ掛かりに欠け、セルアウトしたポップスとしてスルスルと流れて行ってしまう。俺は 「センチメンタルマキアート」 以来に彼らを聴くのですけど、過去ログ振り返ってみると当時と全く同じ感想だな。彼らは彼らでこのポップ路線にポリシーを持ってるだろうし、もはや感性の完全なる相違ですね。やはり君と俺は分かり合えそうにないみたいだ。


Rating: 5.0/10
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