killing Boy 「killing Boy」

killing Boy

killing Boy

木下理樹日向秀和を中心とする新バンドのデビュー作。


冷たい熱。木下×日向のタッグは ART-SCHOOL 「LOVE/HATE」 以来となりますが、その頃のオルタナティブな厚みではなくジャキジャキと尖ったポストパンク的な感触、あるいは澄んだクリーントーンシンセサイザーが主体となり、メロディの抑揚は控えめで淡々と過ぎていく。アートとの差別化はそこまで大きくはありませんが、流れる空気はいつにも増して冷たい。アート時代よりも好きなようにグリグリ弾きまくるベース、またアヒトイナザワによる硬質なパーカッションの躍動はそういった冷たさと逆行し、混ざることなく一体となって低温火傷のような奇妙な感覚を残す。 「Frozen Music」 「xu」 「black pussies」 といった比較的アップテンポな楽曲で、その乖離した感が特に際立ってる気がします。歌詞は相変わらず錠剤や注射といったタームが散見される汚れた純真ですが、彼の描く情景に似合う音はもしかするとこういったものかも。着地する点が見当たらず、歪で朧気なまま過ぎてしまう自堕落な日々。その情景との親和。いかんせん地味でとっつきの悪い方向性ではありますが、ピントが合えばその中毒性を味わえるかも。


Rating: 6.4/10
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