読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる








FUJI ROCK FESTIVAL '11 3日目


フジ3日目。夏の夢はあっという間に過ぎていくね…✝



朝起きて窓の外を見てみると、なんと晴れてる!テンション上がって早々に身支度を済ませ、シャトルバスに乗り込んで苗場に着いたら酷い雨。どういうことだよ。乾いた笑いが込み上げるのを抑えながら最終日スタートです。本日も朝一番はホワイトステージへ。


RINGO DEATHSTARR @ WHITE STAGE
実は4月の来日公演も見に行ってたのですが、その時もなかなか好印象だったオースティンの3人組。今年出たデビュー作は何気に聴く回数が多く、上半期のベストにも挙げたのですよ。


まず野郎としてはベースの Alex Gehring にどうしても目が行く。モデル並みの長身スタイルにグリーンのドレス、キュートの裏に蠱惑的な魅力を見せる表情、仕草。ちょっと俄かには信じられないその美しさはバンドに大きな華を添えていました。楽曲はこれぞシューゲイザー/ドリームポップといった感じ、だけど初日の Pains 〜よりもノイズ成分が多く、そのぶんドリーミーな浮遊感、恍惚感が強いのが差異。マイブラジザメリのマナーに忠実だけど、やはり個人的に嫌いになれない音。 「So High」 「Two Girls」 「Kaleidoscope」 など、改めて聴いても良い曲多いのだ。清冽としたスピード感のある曲や、アンプと対面してエグいフィードバックノイズを放出する曲、いずれにしても彼らの出す音は野外に似合う。メンバーはしきりに写真を撮っては笑顔を見せ、ギターの Elliott Frazier はステージを降りてダイブするなど、今回の演奏を心から楽しんでいる様子。雨に負けない良いアクトでした。



相変わらずこんな調子の雨だけど…


SION @ ORANGE COURT
彼が歌い出したら奇跡みたいにカラッと晴れた。フジ出演は10年ぶりとなる孤高のシンガーソングライター。バックバンドには THE GROOVERS や ROOSTERS の面々も。楽曲的には至ってオーソドックスなロックなんですが、何と言っても SION の存在感が圧倒的。喉を擦り切らせるようなハスキーヴォイスで、言葉の一つ一つを胸に打ちつけるように歌う。クソッタレな人生だけど強く生きろよと。お前の空まで曇らせてたまるかと。政治家よ、評論家よ、恥を知れと。全ての曲、歌詞に彼の信念や生き様が貫かれてるようで、そのエモーショナルな歌声に惹かれる根強いファンが多いのもよく分かる。彼ももう50歳、ミュージシャンとしてはだいぶ高齢ですが、その歌声は衰えてるどころか一層説得力を増して響いてくる。ワイルドで刺々しく、その中にも色気があり、人間くさい暖かみがあるという。まるで男の見本のようじゃないか。彼が真摯に光を求めて歌ったから雨も上がったんだろう、なんつて。


なぎら健壱 & OWN RISK @ ORANGE COURT
立ち回りようによっては全日本フォークジャンボリー状態になる今年のフジですが、彼も70年代フォーク黎明期から活動し続けるミュージシャンの一人。そう、すっかり芸能人のイメージが染みついてますが、彼もれっきとしたミュージシャンなのですね。今回は5人組のバンド編成で現れ、オリジナルとカヴァー交えた古き良きフォークソングを奏でる。大正の震災時に作られた 「復興節」 や、東京スポーツ50周年賛歌 「東スポ博士」 、あと誰でも知ってる 「いっぽんでもニンジン」 など。フジロックでまさかこの曲聴くとは思わなかった (笑) 。いやはやしかし、意外なくらい彼のヴォーカルは艶やかで品があり、時には苦み走ってみせるなど、とても歌心がある。そしてパブリックイメージ通りの軽妙な話術、コール&レスポンスで和やかな空気に。やはりフォークの人って歌と MC の巧みさで流れを作るのが本当に上手い。一見さんにも敷居を高くしない惹き込み方を熟知してる。牧歌的でユーモラス、人情味ある歌の数々で楽しませてもらいました。



暑くなってきたのでちょっと涼む。


BEACH HOUSE @ RED MARQUEE
オレンジからマーキーへの長い道のりを経て、 Pitchfork で絶賛されているこのバルチモアのトリオへ。ミステリアスかつ清涼感のあるシンセポップでチルアウト、どころか疲れがたまってるせいで聴いてるうちに膝から崩れ落ちそうになるくらい眠くなって、正直まともに聴いてませんでしたすいません。 「Norway」 は好きな曲なんで聴いたよ。


envy @ ORANGE COURT
実際にライブ見るのは初めて。定刻になると、まずはメンバーではなく黒装束の女性が登場 (後で聴いた情報によると、アルバムにも参加してる女優の奥貫薫だったそうな…) 。中央に立ち、ポエトリーリーディングで彼らの構築する歌詞世界を静かに、けれども確かに伝える。この仕掛けには意表を突かれました。そしてメンバーが登場し、轟音が立ち昇る。


序盤は彼らのカオティックハードコアとしての出自を示すアグレッシブな曲を連発。ラウドだけども肉厚ではなく、シャープに引き締まった音が身体にズシズシと響く。そこから最近のポストロックを導入したスロウナンバーへと移行、しかしこのバンドの場合スロウパートに入ってもグルーヴの躍動感、荒々しさは持続しており、アグレッションが壮大なスケール感を伴って大きなうねりを生み出し、会場全体を飲み込んでいく。身を捩りながら絞り出すヴォーカルの絶叫も生では一層真に迫った凄みを見せ、シリアスに、ドラマチックに激情を突き刺す。ラウドな音とは裏腹に何処かナイーブな切なさを見せる、そのバランスが高いレベルまで引き上げられた演奏。音源では正直弱いなと感じていたポストロック曲がこれほど響いてくるとは思いませんでした。本人は 「学生時代にヒマで始めたバンド」 と言ってましたが、それがここまでのパワーを獲得するに至るとはね。彼らの魅力を再発見できた良いライブでした。


しかし超蛇足ながら、 「Dreams coming to an end」 のイントロはどうしても噴いてしまうな…。すごく… LUNA SEA です…。


ATARI TEENAGE RIOT @ RED MARQUEE
Are you ready to testify!?
ACTIOOOOOOOOOOOOOOOOOONNNNNNNNNNNNNNN!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


もーマジ最高すぎた。約10年ぶりの復活を果たした ATR 。昨年のサマソニが東京限定で行けなくて非常に歯がゆい思いをしたので、今回は確実に網膜に焼き付けると決意し、最前に陣取って待ち侘びておりました。開演前から Alec Empire が写真撮ったり高速ビートを鳴らして煽ったりして、会場は後ろの方までビッシリ満員、熱気もすでに臨界点間近。


そして始まった狂乱の宴。俺とお前ら、どっちが先にくたばるか勝負だ!ドギついメイクを施した紅一点 Nick Endo 、獣のような鋭い眼光で荒ぶる CX Kidtronik 、そして総帥 Alec Empire 。3人それぞれが入れ代わり立ち代わりマニピュレートとヴォーカルを執り、力強く群集をアジテートする。1曲目 「Activate」 から体力温存などお構いなく飛ばしまくり。それ以降は新譜の曲を中心としつつ 「Revolution Action」 や 「Sick to Death」 なども演ってたと思うけど、ほとんど覚えてない。とにかくビートがバカみたいに速くて、ヒステリックなノイズ/ギターが吹き荒れてて、テンションがレッドゾーンに振り切れたまま戻ってこなかったのは覚えてる。そして総帥はこう叫んでいた。 「NOW is the time to play show in Japan!!」 と。震災や原発事故で危険な状態にある今だからこそだ、と。彼らの姿勢は常にラディカルだし、常に揺るがない。


当然のように皆でドツきドツかれのモッシュ大会、クラウドサーファーも大量発生なわけですが、俺も気がついたらダイブしてた。俺、今まで生まれてこの方ダイブしたことなかったんですよ。モッシュに揉まれながら見よう見まねでチャンスを窺いつつ跳んでみたら、もうビックリした。何この視界。何このいびつな浮遊感。ああ、皆こんな気持ち良い景色を見てたんだなあ…って。


そんなこんなで1時間の間に手を休めることは一切なく、それどころか CX は鉄骨によじ登って旗を振りまわすわ、パッドシンセ連打で一層カオティックな乱痴気騒ぎと化すわ、苛烈さを増す一方。細かいケチつける奴は一発で吹っ飛ばす、それくらいの気迫に満ちたデジタルハードコアジェノサイド。 ATR 完全勝利。



以上で今年のフジは終了となりました。ベストアクトは当然 ATR !!次いで Manu Chaoあら恋といったところ。いずれもそれぞれの形で力強さを確かに感じ取れたライブでした。



お疲れ様!