SUMMER SONIC 2011 OSAKA 2日目


本日モ晴天ナリ。




だからずっとこんな感じで地獄だったんだよわかったか。本日もまっすぐソニックステージに駆け込んで涼むところから始まって終わります。


CEREBRAL BALLZY @ SONIC STAGE
白人黒人入り混じった5人組。ブルックリン出身だからって騙されるなよ! IQ ゼロの豪速球スラッシュ・ハードコア・パンクでございます。ギッチギチ、バッキバキの酷い音でズパズパ疾走し、スケボーとかピザとか好きなことについてギャーギャー喚き散らすだけ。 「Circle Pit!!」 の合図で有志を集い、始まるのは決死のモッシュバトル。俺もちょっとだけ参加したよ。こんな朝っぱらでも純度の高いパンクロックはいつだって正義なのだ。彼らは 「Beautiful Sunday Morning!」 と形容しヴェルヴェッツ歌ったりしておちゃらけてた。馬鹿は強い。


OFWGKTA @ SONIC STAGE
最近アメリカを騒がせている悪ガキ集団。所謂ギャングスタのヒップホップのライブって初めてだったんですが、うむー、音が悪いせいかトラックのボトムが聴きづらくてあんまり響かない。あと英語力ないもんで歌詞わかんないと面白味が掴めないな。多分ロクなこと言ってないんだろうけど。だいたいどんなのか分かった所で退出。


Perfume @ MOUNTAIN STAGE
このミーハーが!と言われても全く反論できない。しかし数年ぶりに見たけど段違いにレベルアップしましたな。冒頭 「Fake It」 「ねぇ」 「レーザービーム」 の畳み掛けは楽曲、ダンス含めて凄くキレがあって格好良かった。例えばももいろクローバーZが発展途上の頑張りっぷりを応援したくなる気持ちなら、彼女らはアイドルのエンターテインメントとしてすっかり出来上がった、隙のない完成品を見る楽しさ。面白かったです。



オアシスも地獄。後ろの方の長蛇の列をお分かりいただけるだろうか。あと 「熱くないうどんやってまーす!」 って言うんで食ってみたら別に冷たくもないってどういうことだよな。


the GazettE @ SONIC STAGE
はい来ましたよー今年の飛び道具。東京ドーム公演やったりヴィジュ若手の中では筆頭の勢いを持つ彼らですが、果たしてサマソニではどう映るか。


蓋を開けてみれば会場には熱心なファンが多く詰めかけていて、実際のところそこまで極端にアウェイというわけでもなかった気がする。ガゼットファンは他のサマソニ客と容姿とかノリが全く違うからすぐ分かるな。スタート前に円陣を組み、曲に合わせた振り付けをこなし、長い髪をブンブン回して風車ヘドバン。しかしながら外部の客に対しても、だいぶ健闘してたんじゃないかなと思います。海外のミクスチャー/ヘヴィロック勢を意識したスタイリッシュなヘヴィネスは、確かな演奏で支えられてタフな聴き応えがあった。メロディにはやはりヴィジュアル系特有のクセが表れるんですが、そのクセ無くしてまで洋楽に寄っても意味ないしな。ヴォーカルもデスシャウトに気合いが入ってて、マッチョではないにしても引き締まっていて軟弱な印象はないし、自分たちのスタイルをアピールするという意味では成功してたと思う。 「Vortex」 とか格好良いね。ちょっと見直した。


NICO Touches the Walls @ SONIC STAGE
初めて聴いた。最初はもっと ART-SCHOOL みたいなナイーブなバンドだと勝手に思ってたんですが、意外にパンキッシュな曲もあったり、力強くてオープンだった。2階席まで巻き込んでコールアンドレスポンスをキメたり、大舞台でも堂々としたステージング。まー最近のロキノン系でありがちと言えばありがちなんだけど、割と好感触。


MUTEMATH @ SONIC STAGE
知らない間にギタリストが交代していたミュートマス。これで3度目のサマソニ。フジも含めると4度目の来日か?すっかり親日派ですな。


内容ですが、改めてこのバンドのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけられました。新作発表を間近に控えたタイミングということで、この日は多くの新曲を惜しみなく披露。そのいずれもがファンキーな躍動感、サイケデリックな実験性、フュージョンに通じる洒脱なムード、そして何よりロックバンドとしての肉体性に貫かれたミュートマス印の秀曲で唸るほかなかった。本当に演る曲演る曲格好良くて笑ってしまうくらい。メンバー全員が極めて演奏力高いから、それだけでもグッと惹きつけられるのだよな。特にドラムはあのシンプルなセットで何とも多彩なグルーヴを叩き出していて、シャープで繊細、なおかつアグレッシブなそのプレイには否応なく身体を突き上げられる。さらにはドリンクを盛大に零して飛沫を上げながら叩いたり、見せ方も非常に上手い。またヴォーカルの Paul Meany はシンセやピアノ、ショルキーを駆使して様々な音色を添え、実に気持ちの良い朗々とした歌声を聴かせる。正しく伊達男って感じで華がありますね。


合間には 「Chaos」 「Typical」 「Spotlight」 などの旧曲も演奏。さすが 「Typical」 は名キラーチューン。ギターが切り込んできた瞬間に会場の温度も沸点に達する。しかしそれら旧曲と新曲が繋がっても何の違和感もなく、同等に盛り上がってたのは彼らの実力に依るものでしょう。ラストもまた新曲。静かな曲調から徐々にサイケの熱が高まっていき、最後には Paul のキーボード上逆立ち、エフェクターノイズ大放出&ドラム乱れ打ちでわやくちゃのお祭り騒ぎ。カオティックに盛り上がってバシッと終了。上質のテクニックがありつつ、それに酔わない破天荒な部分も彼らの素敵な魅力。やはり彼らは鉄板のライブバンドだわ。


DEATH FROM ABOVE 1979 @ SONIC STAGE
今年は復活組が多いけど彼らもそのひとつ。5年ぶりの再結成を果たしたデュオ。ベースとドラム、あとたまにシンセという最少編成なわけですが、そのぶんベースはバッキバキの歪んだ音で厚みをカバー。シンプルな中に緊張感を研ぎ澄まさせたロックンロールサウンドです。なのだけども、うむーちとリズムが面白味に欠けるというか、シンプルさゆえの単調さに陥ってしまってると思う。デュオ編成というのであれば他に HellaLightning Bolt など、 1+1 の可能性が何倍にも膨れ上がってるユニットもいるわけだけど、彼らはそこまででもないかな…という。少々期待しすぎたか。


THE MARS VOLTA @ SONIC STAGE
大トリです。最近はもう全く追えてないボルタ。本日は通常のバンド編成にマニピュレートが2人加わった6人編成。


うーむ、何と言うか、改めて彼らの良い所と悪い所を再認識したライブだったな…。 Cedric はスーツ姿のジェントルな出で立ちに反してマイクスタンドを激しくブン回し、ドラムからのジャンプを何度もキメたりと暴れまくりのパフォーマンス。演奏陣も辣腕揃いで、アグレッシブなパートでは複雑な拍子をバシバシ突っ込んでドリフト走行する苛烈さ。そこではフィジカルな刺激がダイレクトに刺さるのだけど、やはり静パートに移行してから緊張感が長続きせず、冗長に感じてしまう。プログレの様式/精神性を現代なりに解釈して構築してるのだと思いますが、どうも組み立て方が抽象的すぎると言うか、複雑な構成が魅力に結びつかないよなあ…。こちらの2日間の疲れもあって集中力も途切れがちになってしまった。残念ながら途中退出。


以上で今年のサマソニ終了でーす。やはりサマソニはフェスじゃなくショウケースイベントだよな。フジやライジングみたいに、誰が出るか分からんけどとりあえず行くって気にならないもんな…。ベストアクトは結局のところ Mutemath 。ついで Primal Scream か。 The Pop GroupP.i.L. は再結成の補正がかかってるだろうし。



赤く大きな月が見ていた。お疲れ様。