Clap Your Hands Say Yeah 「Hysterical」

Hysterical

Hysterical

ブルックリン出身の5人組による、4年8ヶ月ぶり3作目。


結構なブランクの間にバンド内の意識改革があったのかもしれませんが、今回はサウンド/音響面での実験性がありつつ、それ以上に外部に開けたオープンな空気、リズムの硬い鳴りを筆頭とする肉体性の強化が印象的。シンセやギターがサイケデリックな空間の中で反響しては混ざり合い、ファジーで暖かな音世界を展開しながら、心地良い疾走感/躍動感がその暖かみを熱に変える。内部世界がドリーミーな浮遊感を保ったまま、パワフルに膨張した幻想性と心地良さ。あくまでインディ/ローファイな牧歌的馴染みやすさを求めていた人には賛否分かれるかもしれませんが、前作のマニアックかつダークな作風は何だかんだで頭に入りづらかったので、この大胆な方向転換は個人的にアリ。むしろファーストの人懐っこさがメジャー感を増して底上げされたような感覚で、こちらがセカンドとして出されていても自然な流れだったのでは。轟音ノイズがそれこそヒステリックに暴れ回る 「Into Your Alien Arms」 など、脱ローファイ宣言と言っても良いスケール感の拡張が順当な進化を感じさせる快作。


Rating: 7.8/10
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