Mastodon 「The Hunter」

Hunter

Hunter

アトランタ出身の4人組による、2年半ぶり5作目。


まず前半部。かなりプログレッシブに寄った前作に比べると、従来の獣性迸るロックンロール路線が戻ってきてるように思いました。雄大なスケール感や複雑に入り組んだ構築性がありつつ、それをインテリと感じさせない演奏のドライブ感、噛みつくようなフィジカルの強さ。各曲が3〜5分程度に抑えられ、その中で縦横無尽に繰り広げられるヘヴィロックサウンドは、やはりマストドンならではのものだなと。 「Octopus Has No Friends」 などダイナミックな抒情も滲み出ていてグッとくる。途中まではそんな感じでドカドカゴロゴロ突っ走るアグレッシブナンバーの応酬ですが、タイトル曲 「The Hunter」 を境に状況が一変。静パートの比率を増やしさらに緩急をつけた構成で、ブルージーな表情も見せる 「Thickening」 、シンセに不敵な笑い声まで飛び交って何事かと思う 「Creature Lives」 と、やはりプログレ由来の不可解なインテリジェンスが顔を出す。前作の実験性をさらに咀嚼した上で、マストドンのフィルターを再通過しアウトプットしたという感じ。チャレンジと言うよりはもはや安定の域に入っていますが、ファンは押さえておいて大丈夫でしょう。


Rating: 7.2/10
Links: 【公式】 【MySpace】 【Wikipedia