サカナクション 「DocumentaLy」

1年半ぶりとなる5作目。


ロッキングオン最先鋒としての堂々たる姿がここに刻まれています。バンドサウンドと打ち込みの境目はもはや無いと言って良いくらいのアレンジの練り込み。メジャーの道を突き進むロックバンドがエレクトロを導入する例としては、かつてくるりスーパーカーがやってきたことよりもさらに器用に、完成度の高い楽曲を今回並べてきてると思います。そして以前に感じていた弱点、アッパーな4つ打ち以外の曲が弱いといった部分も払拭、と言うか4つ打ちじゃないのって今回はスペーシーな音響性を思い切り前面に出した 「流線」 と、ラストの牧歌的な 「ドキュメント」 くらい。それ以外にはダンサブルな直線グルーヴを多かれ少なかれ突っ込み、それでも単調だったりトゥーマッチにならないのはやはりアレンジの妙技によるところが大きいか。力強いアンセムとして定着するであろう 「アイデンティティ」 「ルーキー」 、アーバンなクールネスを纏って走る 「仮面の街」 、何処か感傷と暖かみを感じさせる 「エンドレス」 、サウンドデザインの精緻さをアピールするインスト曲 「DocumentaRy」 など、同じ食材もアイディア如何でいくらでも生きると証明する力作。


Rating: 8.4/10
Links: 【公式】 【公式(ビクター)】 【MySpace】 【Wikipedia