Zola Jesus 「Conatus」
- アーティスト: Zola Jesus
- 出版社/メーカー: Sacred Bones
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: CD
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ゴシック復権に向けて。80年代ニューウェーブテイストのエレクトロニクスを用い、何処となくチープな味わいながらもアトモスフェリックで陰鬱とした音世界を展開しています。中心にあるミッドロウ寄りの彼女のヴォーカルと、音響処理で遠くから立ち昇る亡霊のようなコーラス、そして隙間だらけのシンセポップ・トラックという組み合わせの妙味。いきなりサバトに迷い込んだかのようなムードが広がる 「Avalanches」 、仄かなメロディがロマンチックな優しさも醸し出す 「Hikikomori」 (凄いタイトルだな) 、彼女の核を成す部分がポップであることを示すような 「Seekir」 など。聴いてるうちに思い出すのは Bat For Lashes 、あるいはポップの面のみを抽出してみれば Lady Gaga に通じる部分もある気がする。ダークサイドに堕ちたガガ様というか、メインストリームに食い込んでもおかしくないポップ感をゴシック/ポジティブパンクの手法、あるいはインディロックの手法で解体/再構築した感じ。一貫してダークではあるけどもその中にグラデーション的な色味の多彩さ、瑞々しいロマンチシズムを垣間見せるという。何処かに属しそうで何処にも属さない、奇妙な個性だと思います。