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うみのて 「IN RAINBOW TOKYO」

IN RAINBOW TOKYO

IN RAINBOW TOKYO

東京出身の5人組による初フルレンス。


狂った街であり冷凍都市であるところの東京。人々の悲喜交々が混ざり合い、やがて無味乾燥に枯れていく都会の無情を、この作品は殺伐としたローファイ・オルタナサウンドと、鋭利な歌詞表現によってリアルに切り取っています。 「NEW WAR (IN THE NEW WORLD)」 では剥き出しの敵意を曝け出し、 「もはや平和ではない」 ではひとつの歯車の軋みから生まれる日常の狂気を綴り、 「SAYONARA BABY BLUE」 では遠くを眺めるように淡い心の移り変わりを唄う。かつてのフォークシンガーが精神的/詩的なパンクスであったように、ヴォーカルの笹口騒音ハーモニカはその精神姿勢を受け継いだ、現代のプロフェットのようです。特にインパクトが強かったのは 「東京駅」 。こういう妄想やプライド、嫉妬に憑りつかれた人って沢山いそうという意味で、涙で塩辛くなったリアリティの痛々しさが聴き手の内面を抉る。しかしこれは叫びっ放しのライブテイクの方が確実に良いなあ…。他の曲でもライブ時の迫力、勢いが削がれてる部分は多少あるのですが、それを差し引いても全体的には十分説得力の感じられる内容かとは思います。現時点での今年最も言葉が刺さった作品。

Rating: 8.8/10