相対性理論 「TOWN AGE」

TOWN AGE

TOWN AGE

3年3ヶ月ぶりとなる4作目。


この新譜を聴いた後に、脱退した真部脩一がプロデュースしているハナエの楽曲を聴いて、メインコンポーザーであった彼の脱退はやはりバンドにとって手痛いものだったな、と思いました。アンニュイなヴォーカルに The Smiths 直系の色鮮やかなクリーントーン、ハズシのキュートな歌詞といった相対性理論の主要素は変わらず、アレンジ面でリコーダーやパーカッションを取り入れたりと以前より凝ったものになっていますが、肝心のメロディがどうにも弱い。 「BATACO」 「YOU & IDOL」 なんかはまだ良い線行ってるかと思いますが、少なくとも以前の 「LOVEずっきゅん」 「ミス・パラレルワールド」 のような一発で頭に残るキャッチーさというのは見つけられませんでした。かといってアレンジ面が印象に残るかというとそうでもなく、むしろ雑多になって楽曲の狙いを不明瞭にしているような気がします。総じて受けた印象は、残ったメンバーとその仲間で何とか相対性理論としてのブランドを守ろうとする、苦肉の策というイメージ。メンバー各々の課外活動も活発になっているなかで、本隊の相対性理論としてのアイデンティティが見えてきませんでした。

Rating: 5.2/10