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Washed Out 「Paracosm」

Paracosm

Paracosm

2年ぶりとなるフルレンス2作目。


タイトルの 「Paracosm」 とはユートピア桃源郷といった意味合いらしく、なるほど確かに1曲目の時点で桃源郷感満載。所謂チルウェイブの第一人者ということですが、サブジャンルにおける第一人者が最もそのジャンルから逸脱した変化を遂げやすい、オリジネイターがそのジャンルで一番異形であるという法則が俺の中にありまして、彼もその例のひとつに当てはまるかもしれません。アンビエント・テクノからの派生であった前作と比べると、今作は驚くくらいにヴォーカル/メロディがフィーチャーされていて、さながら The Beach Boys のような多幸感溢れるポップ・サイケデリアが展開されています。その歌声はサウンドに溶け込むように多く加工されてはいますが、それでも楽曲の中心的な位置を占め、心地良い響きが意識を攫っていきます。冒頭 「Entrance」 から穏やかに広がる鳥の囀り、ノスタルジックなビブラフォンの音色、風のようにさざめくシンセサウンド。これはもはや夏だ海だといった次元では収まらない、何ともピースフルでセンチメンタルな幻想世界。個人的には前作よりも好みでした。

Rating: 8.0/10