kamomekamome 「BEDSIDE DONORS」

BEDSIDE DONORS

BEDSIDE DONORS

3年2ヶ月ぶりとなる4作目。


作品を重ねるごとにブルータリティの上限を更新してきた彼ら。今作においてもその激しさは衰えることを知りません。メタリックな重さと鋭さを鉄槌のごとく鍛え上げたバンドサウンドは、可変速でありつつスピード感を全く殺さない目まぐるしさで吹き荒れ、ヴォーカルは普段よりデス声増加&ツインヴォーカルのコンビネーションで苛烈さに拍車を掛ける。オープナー 「ナイーブ レターズ」 は前作の 「エクスキューズミー」 に勝るとも劣らないシリアスで叙情的なキラーチューンだし、今作中最も殺傷力の高いリフ、ビートの散弾銃が強烈に身体を突き上げる 「頭の中お大事に」 、一転して冷ややかな美しさを不意に見せる 「劇団ノーサンキュー」 、 The Dillinger Escape Plan ばりの妖刀にも似たアグレッションで斬りつける 「氷」 と、前半の息もつかせぬほどの勢いはさすがの一言。ただ後半に入るとアイディアよりも力技で押し切るような節があり、少々息苦しく感じてしまうことも。もちろんその高い演奏力と熱量は有無を言わせない凄みを発しているのですけどね。高レベルなのは変わりないけど、今までが凄すぎたのでハードルが上がりすぎてるのかも。

Rating: 8.1/10