V.A. 「DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-」

DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-

DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-

初となる DEAD END のトリビュート盤。


ヴィジュアル界隈において錚々たるメンツが勢揃いしているのに加え、このアルバムの特徴は様々なバンドのメンバーがシャッフルされていること。曲毎に豪傑同士だったり異色だったりいくつものドリームチームが出来上がっているわけですが、これは裏を返せば本来のバンドとして築き上げてきたカラーは出せなくなり、プレイヤー各々の個性のみで勝負しなければならないわけです。その点ヴォーカルはやはり有利。いずれも自らのスタイルとマッチした選曲で、曲を完全に自分の色に染め上げることに成功しています。ただ演奏陣のアレンジに関しては危惧の念が的中してしまい、音圧が現代なりに底上げされた以外はほとんど完コピ状態。全員テクニックは申し分ないしリスペクトも感じられるのは確かだけど、ちょっと皆さんデッドエンド好きすぎと違うか。対バンイベントのアンコールセッションがひたすら連続してる感じで悪い意味でも腹一杯になってくる。もっと意外な解釈というのを聴きたかったという意味で、ニューウェーブ/ポストパンク色全開となった cali≠gari 「Blind Boy Project」 、黒い雨のような轟音が美しく響く Boris 「冥合」 、これらの非シャッフル曲は出色の出来。

Rating: 5.7/10