それでも世界が続くなら 「僕は君に武器を渡したい」

僕は君に武器を渡したい

僕は君に武器を渡したい

2011年結成の4人組による、メジャーデビュー作となる3作目。


色々な意味でアイデンティティクライシスを起こしそうになるバンドです。まずバンド名やジャケットで相当損してると思う。まんまセカイ系中二病丸出しのイメージは良くも悪くも聴き手に強い先入観を植え付け、嫌悪、嘲笑の対象にされてもおかしくないレベル。しかしながらオルタナ/グランジ寄りの厚みを持ったサウンドは予想以上に聴き応えがあり、 「夜を超えろ」 では Nirvana 、 「痛くない」 では My Bloody Valentine ばりの不協轟音も暴発。そこに乗るメロディはベタに J-POP ではあるけどラウドな演奏との対比で映える、ただヴォーカルはシャウト部分は格好良いけど随所でミスチル病発症していて癇に障るな…。そして歌詞はやはり中二感がマッシブに現れていますが、内面の痛みを赤裸々に吐露するあまりにもナイーブな言葉は刺さる部分も確かにあり、痛々しさが心地良かったりもする。そんな感じで自分にとってツボを突かれる要素と拒否反応を起こす要素がダイナミックに混ぜこぜになっていて、とにかく扱いに困る。最初はネタ感覚で手を出したつもりなのに、ミイラ取りがミイラになっているかもしれない。この先もしかすると化けるか。

Rating: 6.9/10