MELT-BANANA 「Fetch」

Fetch

Fetch

6年ぶりとなる7作目。


メルトバナナと言えば超絶ハイスピードで畳み掛けるジャンク・ハードコアが主軸であり、前作 「Bambi's Dilemma」 は特にそういったショートカット・ナンバーの応酬だったので、今回のオープナー 「Candy Gun」 を聴いて驚かされました。ポストロックの影響を強く感じさせるスペーシーで開放的なレイヤーの重層。そこに殺傷力抜群なスラッシュギターとブラストビートが捻じ込まれ、心地良い浮遊感がトランシーな高揚へと移り変わっていく様は ROVO を連想する。同様にスリリングな熱を限界まで膨張させていく 「Infection Defective」 、一瞬ポストブラックかと錯覚するギターノイズのシリアスな切迫感が異色な 「My Missing Link」 と、メルトバナナの本質をネクストレベルへと引き上げる実験性が耳を惹きます。もちろん 「The Hive」 「Lie Lied Lies」 といったアグレッシブ極まりないハードコアチューンも兼備。そしてそれらの全てが Yako の甲高いヴォーカルに彩られ、笑えるくらいポップでファニー、毒々しいまでのキュートさを発しており、サウンドの攻撃性を弥増しているという。最後の 「Zero」 に至っては Perfume もビックリのディスコポップだ!脱帽。

Rating: 8.7/10