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CAPSULE 「CAPS LOCK」

1年7ヶ月ぶりとなる14作目。


2006年の 「FRUITS CLiPPER」 以来突き詰めてきた、 EDM 先取りの先鋭的アッパー・ダンスポップはここにはありません。全体の BPM はグッと抑えられ、確かに地を踏みしめるようにして鳴らされるビート。元々情感を排した記号のように扱われていたヴォーカルはさらにカットアップされ、サウンド・テクスチャーの一部へ。グルーヴィではあるし、スウィートなポップネスもある。しかし一貫して続くのはディストピアを思わせる冷徹なムード。アルバム名や曲名からも一切の意味性が殺ぎ落とされ、ある意味で純度を限界まで高めた音がただ鳴っているばかり。 「12345678」 はインダストリアル・ノイズとも言えるサンプルと感傷的なシンセが混じり合う実験曲だったり、初音ミクDE DE MOUSE がタッグを組んだような 「SHIFT」 にしても、この流れで聴くとやはり無機質さの方が前に来る。音の強さ、輪郭の明確さを追求した結果、感傷的なメロディから感傷的なムードが排されたシュールな世界。個人的には砂原良徳 「liminal」 を思い出しました。この2度目の大胆な方向転換は、自分は支持したいです。

Rating: 7.7/10