Primal Scream Japan Tour 2013 @ Zepp Namba


2013年はオーライでオーケーでした (まだ11月だけど) 。


今年の新譜 「More Light」 が久々の傑作だったプライマル。そのリリースに合わせての単独公演に行ってきました。フェスでは何度か見ていますが単独は初めてであります。気合いを入れて Bobby Gillespie よろしくスーツ姿でライブに臨んだのですが (仕事帰り) 、客入りはなんば Hatch でちょうど良かったんじゃないかな…という感じ。決して少なくはないけども、後方は柵で封鎖されてて少し切ない気分に。まあそれは置いといて。


開演時間を15分ほど過ぎ、 SE もなく颯爽と現れたメンバー。現在はサックス、キーボード奏者を交えた7人編成なのですね。その中には当然 Kevin Shields も Mani もいないけれど、だからどうしたと言わんばかりの快演を見せてくれました。オープニング・ナンバーは新譜と同じく 「2013」 。冒頭のサイケデリックなパートはカットされ、火を噴くように鳴り響く痛快なサックスが前面に出た、シンプルなロックンロールへと変貌していました。その後は疾走する速度の中に陶酔を醸し出す 「Hit Void」 から 「Jailbird」 と、新譜の曲をメインに据えつつ過去の代表曲を織り交ぜた内容。元々彼らはサイケデリック、エレクトロ、ダブなどの様々な要素を貪欲に取り入れてきたわけですが、それはそもそもロックンロールだけが持ち得るダンサブルな躍動、爆音の中に身を委ねる心地良さ、そういったプリミティブな快楽を助長させるための手段であると。なのでライブになるとそうういった装飾の類がより一層収斂され、タフで純粋なロックサウンドへと変貌するのです。


そしてまーボビーのカリスマチックな佇まいよ。すでに50を越えるというのにアルミホイルみたいな銀ギラのスーツがビシッとキマる、そのスタイリッシュなセクシーライナー。全てのオーディエンスを迎え入れようとするかのように右へ左へ気ままに動き、気ままにクラップを促し、タンバリンやマラカスを鳴らす。その挙動はとてもしなやかで品があり、大御所の余裕のようなものも感じられました。バンドのフロントマン、ロック・アイコンとしてひとつの理想を体現するその存在感。新譜ジャケの激おこぷんぷん丸ポーズでもクールになってしまうのだから全くずるい。改めて彼のユニークな魅力を再確認できました。


中盤のサイケパートを抜けた後の多幸感に満ち溢れた 「It's Alright, It's OK」 。これはもはや今年のアンセムと言っても過言ではないでしょう。しかしそれに留まらずヒステリックなサイレンが空気を切り裂いてからの 「Swastika Eyes」 、そこから 「Country Girl」 「Rocks」 とラストに至るまでの代表曲連発による勢いは、そりゃーもう嫌でもアガりますよ。オーディエンスも合唱しまくりの大盛り上がり。そしてアンコールは多幸から祝祭へと至る 「Screamadelica」 曲の連発。このバンドはドラッギーでキナ臭い部分もありつつ、やはり最終的にはポジティブに辿り着く。その辺りも彼らがロックンロールを演る上でのポリシーなのかもしれません。成熟と同時に進化、発展を果たし、ここに来てなお上り調子の彼ら。このタイミングでのライブを見れたことは非常にラッキーでした。


余所から拝借したセットリスト↓
1. 2013
2. Hit Void
3. Jailbird
4. Burning Wheel
5. Shoot Speed/Kill Light
6. Accelerator
7. Relativity
8. Tenement Kid
9. Walking with the Beast
10. Goodbye Johnny
11. Turn Each Other Inside Out
12. Autobahn 66
13. It's Alright, It's OK
14. Swastika Eyes
15. Country Girl
16. Rocks
(アンコール)
17. Loaded
18. Come Together
19. Movin' On Up