MO’SOME TONEBENDER 「Baseball Bat Tenderness」

Baseball Bat Tenderness

Baseball Bat Tenderness

1年5ヶ月ぶりとなるフルレンス12作目。


オルタナティブな凄味を効かせた 「STRUGGLE」 、雑多なジャンルの坩堝と化した 「Strange Utopia Crazy Kitchen」 と続き、今作では比較的ラフなロックンロールに回帰してるように思います。刃物のように鋭く鍛え抜かれたギターが空気を裂き、硬質なリズム隊がぶっきら棒にドライブする。初期の殺気だった緊張感から中期の力強くオープンな熱量、そして最近のコミカルなはっちゃけっぷりも通過した上で、一見シンプルながらも密度は濃厚なモーサム流ロックンロールの連打。これまでの経歴でも十分に証明されていることですが、彼らはロックンロールにおいて何が必要であるかを全て身体で熟知しているので、マンネリにもありがちにも陥らないロックの本筋をビシッと通してみせる、その様がひどく痛快。 「ジェネレーションZ」 の振り下ろされる斧のようなヘヴィネス、 「Happy Blue Bird」 の実験的なノイズ音響アプローチ、そして強烈な轟音と牧歌的なメロディが交差する 「G.O.」 は geek sleep sheep の影響もあるのかも。激しくやかましいロックとして鍛え抜かれた流石の一発。あと 「FEEVEER」 はね、うん、微笑ましいですね。

Rating: 8.0/10