minus(-) 「D」
- アーティスト: minus(-)
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2014/10/22
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (2件) を見る
まるで何かの暗号のような無機質なタイトル群。ここでの彼らはかつての経歴に囚われず、一切の意味性を剥いだ状態で音に向き合ってほしいという、ある種ストイックな姿勢が表れているような気がします。内容は彼らの前衛的なダークサイドに焦点を合わせたアンビエント/エレクトロニカ。 SOFT BALLET で見せていたポップさや肉感的な熱さは敢えて排除され、徹底してクールに抑制された音像は緊張の糸が常に強く張られています。しかしその中でも「RZM」ではインダストリアルな攻撃性が表出したり、「No_6」では EDM /ダブステップと 80's シンセポップの要素が同居してたりと、様々な可能性を模索しつつも彼らならではの出自が見え隠れ。そして今作のハイライトは佐藤(きのこ帝国)をゲストに迎えた「B612(Ver.0)」ですね。揺蕩うような柔らかさと清涼感を持つ彼女の歌声は、きのこ帝国での内省的で垢抜けない様子ではなく、英詞というのも相まってそこはかとないセクシーさを醸し出しており、思わず息を呑む。普段パーカーにジーンズしか着ない子がいきなりドレスで現れるようなもんで、そりゃ動揺するっていう。ひとまず顔出しとしては手応え良好。
Rating: 7.1/10