踊ってばかりの国 「踊ってばかりの国」

踊ってばかりの国

踊ってばかりの国

メンバーチェンジを経て、2年2ヶ月ぶりとなるフルレンス3作目。


プロテストアルバム。音に関しては60〜70年代のフォーク/カントリー/ブルーズ/昭和歌謡と地続きのロックンロールを継承し、滲み出るサイケデリックな質感もあって耳に心地良いもの。しかしメロディやサウンドの牧歌的なユルさとは裏腹にバンマス下津光史の歌はギラギラと覚醒しており、辛辣な言葉をもって聴き手に次々と問題を投げかけてきます。 「政治家のジジイが決めたことでまた子供が死ぬよ」 「息ひとつするたびにセシウム溜めて生きるだけさ」 「踊ってはいけない そんな法律があるよ」 。家族を持って今の日本を生きる上で、彼らの中にも様々な不満や疑念が強いリアリティとして在るのでしょう。それこそ歌にしてしまうくらいに。しかしまあ極私的な感想になりますが (極私的なブログだしな!) やっぱり音楽は音楽、政治は政治で分けておきたいな、と聴きながら思いました。別に政治に興味が無いわけではなく、そりゃ自分たちの生活を良くするために考えるべきことがごまんとあるのは重々承知してますが、音楽聴いてる時くらいほっといてくれよっていう。世の中についてうんうん悩みながら音楽聴くのは性に合わないのですごめんなさい。

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