Plastic Tree 「echo」

echo(初回限定盤)

echo(初回限定盤)

1年3ヶ月ぶりとなるミニアルバム。


フルレンスでは数曲が飛び道具的だったり横道に逸れがちになるものですが、この7曲にはプラの主幹に在る魅力がほぼ過不足なく凝縮されてると思います。くぐもったアトモスフェリックな轟音がトンネルの入り口を連想させる 「木霊」 、ストレンジな不協音的ギターリフがザックリと刺さる 「曲論」 、メロディの切なさが涼やかに流れては沁み込む 「輪舞」 など。 「トロイメライ」 以降顕著なディーパーズ譲りのメタリックサウンドがありながら、微妙に 「Hide and Seek」 の頃のベタッとした妖しさを醸すサウンドも聴けたり、それらがこれ見よがしに変幻するのではなく心地良い速度の中で自然に結ばれてる。実になかちゃんの職人っぷりが光るギターワークですが、アンサンブル自体は細部まで詰め込みすぎることなく良い意味でのラフさを意識している所があり、その辺が今の彼らのモードなのかなと。憂鬱な寒色を全体に塗してはいるけれど、何処か肩の力が抜けていて、風通しの良い自由さを感じる。この緻密さと余裕さを兼ね備えてる辺りはさすがベテランといった所でしょうか。プラ流の何気なく鋭いセンスが効いたオルタナティブ・ギターロック。

Rating: 7.4/10