ねごと 「"Z"OOM」

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“Z"OOM(初回生産限定盤)(DVD付)

前作から1年1ヶ月ぶりとなるミニアルバム。


もしねごとを単なるロキノン系アイドルバンドと捉えているなら、その先入観はさっさと取り払った方が良いと思います。作品を重ねるごとに経験を着実にモノにしている彼女ら。今回でもシンセとギターの上モノ隊はより多種多様な音色を使い分けるようになり、それらがこれ見よがしな飛び道具のような使われ方ではなく、複雑なアレンジの骨格としてしっかり機能しています。またヴォーカルは以前よりも Chara を彷彿とさせるようなクセが少しずつ強くなり、好みは分かれるでしょうが堂に入った歌いっぷりで変化としては面白い。楽曲の密度が一層濃くなり、そこに苦心の跡を見せない鮮やかなポップネスも光る。総じてバンドの表現力の向上が伺えます。新しいキラーチューンとなるであろう 「真夜中のアンセム」 に始まり、ポストパンク風味の歪なファンクネスが効いた 「M.Y.D.」 、スペーシーでキラキラした音の広がりが実に彼女たちらしい 「迷宮ラブレター」 など6曲。飽くなき好奇心とチャレンジ精神がそのクリエイティビティを絶えず成長させている感じで、その伸びしろはまだまだ多く残されていそうです。

Rating: 7.6/10