The fin. 「Glowing Red On The Shore」

Glowing Red On The Shore EP

Glowing Red On The Shore EP

神戸在住の4人組による、初の全国流通盤。


昨今の Fleet Foxes や Real Estate などのインディロック、あるいは Washed Out に代表されるチルウェーブ、そこから80〜90年代のシューゲイザー/ドリームポップ、果ては The Beach Boys にまで行き着くサイケデリア。そういった様々な年代の洋楽からのコンテクストを強く感じさせるサウンドです。シンセを大きくフィーチャーした 「Circle On The Snows」 なんかは Passion Pit のメロウサイドを彷彿とさせるし、 「Misty Forest」 ではフォーキーなアプローチもあったり。そういった楽曲群に通底しているのは、表題通り黄昏時の海辺を想起させる甘酸っぱさと哀愁。水平線の向こうへと思いを馳せるようにして音が轟き、ノスタルジックで優しい世界を鮮やかに描いています。何とも上品で、美しく、ニュアンスに富んでいる。しかしながら現在のインディロック勢の潮流に対応しようとする意識の高さがややスノッビーに感じられるきらいがあるのと、全編英語詞なのもあって良くも悪くも日本人が演ってるように聴こえない。楽曲自体は実に良質だと思うので、ここからいかに彼ら自身のアイデンティティを強めることができるかが勝負どころでしょうね。

Rating: 6.9/10