The Body 「I Shall Die Here」

I Shall Die Here

I Shall Die Here

US 出身の2人組によるフルレンス3作目。


音圧だけで身体が吹っ飛びそうなドラムスと、錆び付いた鉈でゴリゴリ骨を削るようなギター。とても2人のみとは思えない威圧感を誇るこのドゥーム/スラッジデュオは、これまでもその極道な音楽性で悪行の限りを尽くしてきましたが、更なるステップに踏み出すために彼らが手を出したのはエレクトロニクスによるドローンノイズ。 The Haxan Cloak の全面バックアップを受けて制作された今作は、一見水と油のようであるメタルとエレクトロニカ、双方の最も極悪な周波数を掛け合わせた仁義なきベースミュージックです。例えばオープナー 「To Carry the Seeds of Death Within Me」 では得意の地を這うスラッジサウンドがふとした瞬間にミステリアスな音響へと変貌し、まるで突然何もない宇宙に投げ出されたような浮遊感、冷たい恐怖感を表現する。ひとつひとつの音が異様に研ぎ澄まされており、多く残された音の隙間にも負の感情が満ち満ちています。エレクトロニカを融合させるという手法は知的なようだけど、その結果として生まれた楽曲が極めて本能的、プリミティブな憎悪を際立たせているのだからもう手の付けようがありません。劇薬盤。

Rating: 8.5/10