the HIATUS 「Keeper Of The Flame」

Keeper Of The Flame

Keeper Of The Flame

メンバーチェンジを経て、2年4ヶ月ぶりとなる4作目。


これまでもアルバム毎に違った路線を提示してきた彼らですが、今作はシンセポップ/エレクトロニカの要素が一気に増しています。柏倉隆史の感情豊かにロールするドラミングを基盤に、冷たく澄んだシンセサウンドや 「Horse Riding」 あたりで見られるフォークトロニカ的手法、そういった新機軸が心地良い浮遊感を醸し出しています。そういったアンサンブルの変化がありつつ、中心に在る細美武士のヴォーカルは従来のエモ/ポップパンク的な快活さを保っており、あくまで歌モノの姿勢を崩していません。 ELLEGARDEN 時代から考えればファンを篩にかける勢いのドラスティックな変化を遂げてきたと思いますが、常に新しいスタイルを模索し続ける彼らの姿勢は好印象ですね。ただかつてのラウドなギターサウンドはほとんど後退してしまったので少々綺麗に纏まりすぎた感があるのと、アレンジの実験性に重きを置くあまりポップソングとしてのフックに欠けるきらいもあります。この微妙なバランスを上手く両立するというのは非常に難しいことですが、例えばサカナクションなんかはその両立を成し得たからこそ大きなブレイクスルーを果たしたのでしょうね。

Rating: 6.4/10