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Vampillia 「the divine move」

V

the divine move

the divine move

単独名義としては2年10ヶ月ぶりとなる4作目。


今回は歌モノに挑戦ということで全曲にゲストヴォーカルを招いた企画盤となっているわけですが、当然このバンドが普通の歌モノを演るはずもなく、クセだらけの怪作に仕上がっています。まず流麗なストリングスがエキゾチックで幻想的な世界を描く 「lilac」 には戸川純降臨。そのあどけなく舌足らずな歌声には80年代のデビュー時から付き纏う、業のような不穏さを背後に感じ取ってしまうのは自分だけでしょうか。続く BiS 参加の 「mirror mirror」 やツジコノリコ参加の 「endless summer」 ではリリカルで繊細な美しさから次第にポストブラックの禍々しい深淵へと転げ落ちていく、実に彼ららしい秀曲。そして長谷川裕倫…この人の歌声は何回聴いても慣れないので聴く前から戦々恐々としていましたけども、今回はポエトリーリーディングで少し安心。しかしそれでも淡々とした口調の中に異様な存在感を発揮しており、思わず神経の痺れを覚えます。総じてポストロック/ブラックメタルを主とする強烈な音楽性の基盤を揺るがすことなく、歌メロによって美醜の対比にメリハリをつけた、普遍性のある実験作というアンビバレンス。

Rating: 8.3/10