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NUMBER GIRL 「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT 15TH ANNIVERSARY EDITION」

1999年に発表されたデビュー作の、15周年記念リマスター再発盤。


Dave Fridmann によるリマスタリングで音の分離は若干良くなってますが、それでもデモ音源のごとき音の悪さがこのバンドの独自性を際立たせています。コンクリートの部屋の中で反響し合い、まるで制御の効かない獣のようにうねっては牙を剥くオルタナサウンド。現場の音の刺々しさや緊張感をいかに生々しくパックするかという彼らの信念に基づいての選択であり、今聴いても明らかに他とは一線を画す異様さが漲っています。特にアヒト・イナザワの金物を多用しながらノイジーに荒ぶるドラムプレイには改めて唸らされる。しかしながら向井氏本人が 「青春だった」 と振り返るように日常の風景やノスタルジーを描いた楽曲が多くあり、殺伐とした音の中にフォーキーとも言える牧歌的な暖かみが滲み出ているのが今作の特徴。 「タッチ」 「日常に生きる少女」 の郷愁であったり、 「透明少女」 などはもはやエヴァーグリーンの芳しさすら感じられる。この熱さと暖かさの混濁がこの頃の彼らならではの味を生み出しているわけですね。彼らのカタログの中でも正しいエモさが光る傑作。ただライブ音源はスタジオ盤の試行錯誤を一発で凌駕する迫力で、もうこっちが本編で良いだろコレ。

Rating: 9.3/10