それでも世界が続くなら 「もう君はいい人じゃなくていい」

もう君はいい人じゃなくていい

もう君はいい人じゃなくていい

10ヶ月ぶりとなるメジャー2作目。


先日 Syrup16g が復活を宣言して日本中のボンクラ (含む俺) が歓喜してる今日この頃ですが、それこそシロップ並みのハイペースなリリースを続けている彼らもしたたかに気を吐いています。グランジシューゲイザーなどの 90's オルナタティブな音楽要素を消化しつつ、ミスチルにも通じる王道 J-POP のメロディセンスを携えて諸刃の刃を振り回す鬱ロック。オープナー 「優しくない歌」 の始まりは 「彼女が食べた動物は 誰が殺してくれたの」 。何故お前がそこまでナイーブになる必要があるのか?と普通の人ならばつっこまずにはいられないでしょう。バンマス篠塚将行はその 「普通」 に対して徹底的に疑念の目を向け、皮肉や失望を撒き散らしながら彼なりに真摯に 「生」 と向き合っています。特に先行シングル 「僕らのミュージック」 は、負の感情が蔓延する中で一筋の光が垣間見える佳曲。ただ前作が比較的轟音を強く打ち出したアグレッシブな路線だったのに対し、今回は聴かせるタイプのメロウな曲が多く、やや手クセ感が出ているのは気にかかるところ。彼の作る楽曲のフォーマットはもう完成されつつあるので、次ではそこから上手く逸脱した姿を見たいかなあと。

Rating: 6.7/10