読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる








FUJI ROCK FESTIVAL '14 2日目

LIVE


2日目もピーカン照り!昨年はそれなりに雨が降ってたらしいけど、今年は2年前の奇跡的快晴の再来なのか…と、火傷に近い日焼けを負いながらの1日でした。




THE INSPECTOR CLUZO @ RED MARQUEE
気合いで早起きして見たった。フランス出身の2人組。以前に5年前のフジ初出演時の映像を見たことがあって、コレはヤバいなと直感的にくるものがあったので、今回を逃す手はないなと。ゴリゴリの重低音を響かせるギターに、キレのあるダンサブルなグルーヴを繰り出すドラム。 「Fuck the Bass Player」 を標榜するだけあってペラさは全く感じず、フレキシブルに展開しながら叩き付けるヘヴィサウンドは即効性抜群。またギターは Dimebag Darrell かマキシマムザ亮君かという厳つい風貌で甘いハイトーンヴォイスを聴かせたり、スキンヘッドのドラマーはやたら前に出たりドラムに登ってクネクネとセクシーなダンスを踊ったり、本当にフランス出身かと疑ってしまう変態っぷりが痛快。必殺ナンバー 「Two Days」 や 「The Inspector Cluzo」 など、いつ何時もフロアを揺らす野蛮なエナジーが爆発した40分間でした。


THE NOVEMBERS @ RED MARQUEE
めでたく初出演のノベンバ。黒の衣装で統一された4人は真っ昼間の時間帯にはちと不似合な気もしましたが、一旦音を出せば強い主義主張に貫かれたオルタナティブサウンドがあっという間に彼らの磁場を作る。序盤は 「Flower of Life」 などメロウで優しい曲が続きましたが、次第に 「永遠の複製」 「dogma」 「鉄の夢」 とダークな瘴気が色濃くなっていき、小林祐介の悲鳴にも似た絶叫が身体を芯から痺れさせてくれる。自分が初めて彼らを見たのは6年前の MINAMI WHEEL でしたが、その頃から音楽的には格段に成長を遂げながら、己の内に潜む激しさを聴き手に刺す、という衝動、信念は当時から変わっていないようにも思いました。苗場でもキッチリと彼らのスジを通した好アクトだったと思います。ちなみに俺 PA の横くらいで見てたんですけど、 PA 内には青木ロビンChara が見守るように彼らのステージを見ていてなんだかほっこりしたのでした。


WHITE LUNG @ WHITE STAGE
今年の新作 「Deep Fantasy」 が傑作だったカナダ出身のホープ。ヴォーカルの Mish Way は長いブロンドに真っ赤なルージュ、シースルーのドレスというなかなか刺激的な出で立ち。それが正しく蝶のように舞い蜂のように刺すといった感じで甲高いシャウトを連発し、しなやかに客をアジテートしていく。その一挙手一投足からはすでにカリスマチックな魅力が感じられました。しかしながら演奏の方はヘヴィネスという点で少々力不足な感があったのと、短い曲が多い割に1曲終わってはストップするものだから進行のテンポが悪く、やや半煮えのような印象を受けてしまいました。 Mish ひとりが際立って気を吐いている感じで、まだバンド全体の本領が発揮されてるとは言えなかったかなと。ただ楽曲自体は最高だと思うので、これから場数を踏んで化けてくれるはず。ちと期待値が高すぎましたね。


NARASIRATO @ ORANGE COURT
ここでようやくホワイトよりも奥に足を伸ばす。オレンジも大概な灼熱地獄なので泣きが入りそうでしたけどもね…。こちらはソロモン諸島出身の大所帯バンド。写真を見てくれれば分かりますが完全に土人。ふんどしに貝やら骨やらのアクセサリーを身につけ、全身にペイントを施して見たこともない管の民族楽器を吹き、トライバルなリズムで歌い踊る。みんなすっごい良い笑顔だし。ほとんど出オチのようなところもありますがこの手のワールドミュージックもフジならでは。分かりやすいコーラスに牧歌的な躍動感、何よりもパーティ的な親しみやすさを優先させたピースフルな空間でした。1曲日本語の曲も披露したりと、見た目は怖いけど実は優しい彼らの人柄が滲み出てましたね。


Gotch @ RED MARQUEE
そして端っこのマーキーまで舞い戻って本当に泣きが入りそうになるのだった。アジカンのゴッチと愉快な仲間たち。初っ端から 「Humanoid Girl」 「Stray Cats in the Rain」 と US フォーク/カントリー風の暖かみある楽曲が続く。カッチリ端正なアジカン本隊よりもレイドバックしたインディロックの要素が強く、この辺はアジカンに持ち込めない趣味的範囲を思い切りぶつけてるんだろうなという感じで、なんだか微笑ましいものがありましたね。ゴッチ本人もアジカンで見る時より肩の力が抜けてる感じで、前に競り出して顔を歪ませながらアコギを掲げる様子は本当に楽しそう。他には Wilco のカヴァーもやったりとかで、やっぱり今のゴッチの趣味はその辺なのねと。あと 「Can't Be Forever Young」 はやっぱり良い曲だなと再確認したり。なんか彼と仲直りできたような気に勝手になってました。


JAKE SHIMABUKURO @ ORANGE COURT
またオレンジ。何故端から端なのだ。もう椅子に深く沈んでボケーッと見てましたが、ウクレレの響きが心地良くてすっかりおねむの時間。しかしながらウクレレってそんなに弾き倒せるものなのかと目からウロコが落ちるレベルのバカテク。ビートルズやクイーンのカヴァーやったりと、ロックフェス向けのセトリで良い感じに和めました。あと 「よろしくおねがいシマブクロー!」 てのが今年のフジの個人的ヒット MC 。


ARCADE FIRE @ GREEN STAGE
ついに来た。目玉その2。もう今年のフジはスロウダイブと彼らのために来たようなものでした。遡ること9年前、一切の予備知識なしに見たサマソニのステージがあまりに感動的で、その時から今に至るまで常に動向は追っていたけどもライブは見れず、いつの間にか9年もの月日が経っていたというわけです。興奮するなと言われても無理な話。


レギュラーメンバーにパーカッションやホーンセクションが加わった大所帯で登場、そして演奏…かと思いきやスクリーンに映ったのは全身が鏡面の謎の生命体。ふと後ろを向くとエリア中央にその生命体が奇怪な動きをしながら高らかに挨拶。そして始まった 「Reflektor」 。もうこの時点で彼らは完璧でした。ウィンは何度もペットボトルを客に放り投げたり、ギターの弦を引き千切って投げ入れたりとテンション高いパフォーマンス。対してレジーナは妖精のような衣装でくるくると可憐に踊りバンドに華を添える。もう家族というか劇団というか、佇まいがすでにスペクタクル状態。彼らは楽曲のみならず、こうしたステージの華やかさで壮大かつ深遠なひとつの世界を構築し、作品をリリースするごとにその世界を拡張してきたわけですね。他にも 「It's Never Over」 ではレジーナと骸骨の覆面を被ったダンサーがエリア中央で奇妙なダンスを展開したりと、仄かに生と死を匂わせるシアトリカルな演出が彼らの多面的な魅力を一層ディープに表していました。


しかし改めて聴いても名曲の多いことよ。 「Reflektor」 の後も 「Power Out」 や 「Tunnels」 、 「No Cars Go」 に 「Ready to Start」 、新作からも 「Joan of Arc」 や 「Afterlife」 などがすでに過去曲に引けを取らない存在感を発揮していたし、 LUNA SEA じゃねえんだからとつっこみたくなる (V系脳) アンセムだらけのセットリスト。そもそも序盤、4曲目 「Rebellion (Lies)」 の時点でほとんどクライマックスの様相を呈していたのに、そのカタルシスが天井知らずに最後までずっと続いてるような状態。力強くシンガロングできるパートも多いし、楽曲の持つ段違いのスケール感には終始圧倒されっぱなしでした。終盤には YMORYDEEN」 が突然流れて度肝を抜かれたり (笑) 、 「Here Comes the Night Time」 で豪快に紙吹雪が舞い上がったりといかにも大物らしい演出がありつつ、最後はアンセム中のアンセム 「Wake Up」 。確か9年前のサマソニではこの曲がオープニングでして、この高らかな合唱が響いた時点で自分は彼らの虜となっていました。もうここぞとばかりに全力で叫んだ。咽せながら叫んだ。


あえて欲を言えば 「Laika」 や 「Black Waves/Bad Vibrations」 なんかも好きなので演ってほしかったなーというくらいですかね。代表曲は綺麗に網羅された充実の内容。すっかり世界規模のトップバンドに君臨した彼らも、自分達の世界を築くという核の部分はデビュー当時から変わりがないことも確認できた、期待をすっかり上回る文句無しのアクトでしたね。


ということで、2日目は Arcade Fire が完全勝利でした。3日目に続く。