LOSTAGE 「GUITAR」

Guitar

Guitar

2年ぶりとなる6作目。


3人編成になってからはバンドの音作りを根本から見直し、よりシンプルに、より贅肉を削いだアンサンブルへと変化していましたが、今作もまた然り。各々の鳴らす音が互いに強い存在感を発しながら有機的に混ざり合う。殺伐とした荒さに、牧歌的な郷愁が滲む独自の国産オルタナティブ・ロックンロール。前作 「ECHOES」 では良くも悪くも柔らかさ、風通しの良い軽さが目立っていましたが、今作では再びスジの通ったタフネスを取り戻し、実にソリッドな聴き応えとなっています。特に 「コンクリート/記憶」 「Nowhere/どこでもない」 のような、どっしりしたグルーヴに甘すぎない憂いが広がる楽曲はもう彼らの十八番。その一方で 「いいこと/離別」 では快活な疾走感が鮮やかなインパクトを残したり、 「Guitar/アンテナ」 ではマイブラばりの不協的轟音が唸りを上げたり、 「Flower/路傍の花」 は彼らの歌心が飾らない姿で綺麗に開いたりと、意外なほどにバラエティ豊か。それら全てが彼らの持つロックの流儀に貫かれている、その様は実に男らしく頼もしい。表現の純度を高め、ますます孤高へと向かっている感がありますね。

Rating: 8.1/10