dieS 「VICTIM」

VICTIM

VICTIM

2005年結成の2人組による、7年ぶり2作目。


彼らって元 LANDSCAPE だったんですね…クッソ懐かしい…当時は D-SHADE あたりをもうちょっとハード寄りにしたようなビートロックだったと記憶しているのですが、長い年月を経た彼らは自分達の在るべき場所を見つけていたようです。80年代ゴシック/ポジティブパンクから90年代名古屋系への流れを汲み、サポートを加えた編成でロックバンドらしい真っ当なダイナミズムも獲得したオルタナティブサウンド。骨太な厚みで聴き応えがある 「innocent taboo」 「mirror」 といったロックンロール曲も格好良いですが、 「SA.VA.GE -night slave-」 や表題曲 「VICTIM」 あたりがこのバンドの真骨頂ではないかなと。ダークな緊張感が全体に張り詰め、その中でスクエアなダンスグルーヴが徐々に熱を帯びていくニューウェーブ・パンクで非常に刺激的。また 「blinddance」 「太陽」 とメジャーコードを用いた開放的な曲調もあったりと、多面的な魅力もアピール。総じて最近のバンドのようなスタイリッシュな洗練ではなく、音作り含めて良い意味で野暮ったい、アンダーグラウンドなキナ臭さがオリジナリティに繋がっていると思います。

Rating: 8.3/10