TK from 凛として時雨 「Fantastic Magic」

Fantastic Magic(初回生産限定盤)(DVD付)

Fantastic Magic(初回生産限定盤)(DVD付)

2年2ヶ月ぶりとなるソロ2作目。


フォトグラファーとしての彼が発表する写真を見ていると何となく感じるし、ピアノ、ストリングス、アコギといった装飾を全編で駆使している点からも、彼の個人的な興味がエレクトロニカ、あるいはポストクラシカルの方面に伸びているのが感じ取れます。澄みきった静謐の中、遠い夕陽を眺めるような美しいセンチメンタリズム。それは彼が時雨で打ち出している、手数を詰め込んで性急なスピードで突っ走ったり甲高い声でシャウトしたりというヒステリックなロックサウンドとは真逆の位置にあるわけですが、バンド本隊との差異としてそういった耽美的とも言える要素を加味した結果、図ってか図らずか本来の異形っぷりにますます磨きがかかってるように思います。ピアノ等が本来持つ美しい響きが激しいバンドサウンドに組み込まれることで、汚され、魔改造されている様はある種のスリリングな痛快さも伴っているような。少なくとも違和感なくマッチしているわけではない、むしろ異物感の方が強いのだけど、それ故の捻じれた面白さが生まれてる。あとは 「kelei de scope」 などを聴いて、彼の4つ打ちグルーヴに対するセンスは素晴らしいなと再確認したり。

Rating: 7.5/10