fripSide 「infinite synthesis 2」

1年9ヶ月ぶりとなるメジャー3作目。


往々にして 「2」 と銘打たれた作品には駄作迷作が多いように思いますが、そんなジンクスは杞憂でした。音楽的に大幹を成す部分は笑いが込み上げるレベルで変わっていませんが、敢えて変わった点を挙げるとすればその刹那的快楽主義がさらにエスカレートし、外野からの批判の一切を跳ね返すほどに楽曲の濃密さを増している点。うっかりオリコン1位を獲ってしまった 「sister's noise」 をド頭に叩き付けるそのインパクからして相変わらず強烈ですが、そこからラストに至るまで、全く、全く勢いが落ちません。若干 BPM を落として切なさを際立たせた 「secret of my heart」 なんかも、音をひたすら詰め込む過剰さは一貫されており、箸休めが箸休めになってない。そんなフルマラソン状態でも息切れせずに聴き通せるのは、曲毎にアレンジをヘヴィめにしたりメロディを伸びやかにしたりといった小技が随所に効いてるからでしょうね。満を持しての表題曲 「inifinite synthesis」 に至っては、彼女たちの世界観が揺るぎない矜持をもって完成された、感動的な瞬間ですらあります。インフィニットの冠は伊達じゃない。

Rating: 8.5/10