Karen O 「Crush Songs」

Crush Songs

Crush Songs

Yeah Yeah Yeahs のヴォーカリストによる初のソロ作。


情報によると今作は2006〜07年頃に録られた楽曲を掘り出したものらしく、そのへん彼女にどういった心境の変化があったのかは分かりませんが…。収められた15曲はアコギやエレキ1本をジャカジャカ弾きながらカレンが力抜きまくった声でのほほんと歌う、本当の意味でのデモトラック集です。全ての楽曲が1〜2分台であっさり終わったり、ガサガサとエアーノイズの混じったローファイな音質だったり、まるっきり未完成なオフィシャルブートレグ的内容。そして歌詞の方はと言えば、彼女のプライベートな部分をそのまま曝け出したような、何とも感傷的でロマンチックなもの。バンド本隊でロックンロール・アイコンとして痛快なファッション/ステージングを披露しながら、こういった繊細でガーリーな側面も曝け出してみせるという、言わばギャップ萌えというやつです。この強さと脆さが内面に共存した彼女のパーソナリティに惹かれてしまう人は男女問わず多いのでしょう。これがメジャー的プロダクションで絢爛なアレンジを施されても違う気がしますし、バンドとは差異をつけながら彼女らしさを打ち出す、という意味では正しい方向性かと。

Rating: 6.0/10