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2010年代前半ベストアルバム50選 (洋楽編)

FEAT

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前回に続いてテン年代前半ベストの洋楽編でございます。


正直なところゼロ年代に比べると洋楽に対するアンテナは下がりつつあるような気がしています。一応 Metacritic などを参照しながら良さげな作品をピックアップしたりといった作業はしているのですが、どうしても以前からの愛着があるバンドを優先してしまうクセがありまして。あと最近は邦楽の方が聴く比重が高まっているというのもあったり。実際50枚選ぶの結構カツカツだった。まあでも改めて聴き返してみると思ってた以上に良いアルバムだなという再発見もあったりで、やっぱりこういう振り返り作業は己にとって良いものだなと。そんな感じで以下50枚どうぞ。




50. Alcest 「Écailles de Lune」

Ecailles De Lune

Ecailles De Lune

ブラックメタルシューゲイザーはその音像において共通項をよく指摘されているようですが、ここまで見事な折衷を成し得た例はそうそうないのでは。ブラックメタルの深淵あるいは獰猛さが、何処までもロマンティックな憂いを纏って展開される、その美しさには何度聴いても圧倒される。この作品がフランスから生まれたという事実に妙に納得したり。

Alcest - Écailles De Lune Pt. 1 - YouTube




49. Exlovers 「Moth」

Moth / EXLOVERS

Moth / EXLOVERS

そしてこちらは本チャンのシューゲイザー。どうも日本だけでひっそり盛り上がってひっそり消滅したようですが、そういう事実も踏まえると、ここに収められた楽曲の煌めきはますますオブスキュアな幻のように感じられて、ある意味シューゲイザーとしての趣が増しているようにも思えますね。きっと20年後のシューゲ再々評価時に隠れた名作として掘り出されることでしょう。

exlovers - Starlight, Starlight - YouTube




48. Pharmakon 「Abandon」

Abandon

Abandon

再生した瞬間からマーガレットたんのイイ声が飛び出す怪盤。一見のどかで可愛らしいジャケットが実はアレという具合に、日常に潜む狂気を抉り取って白日の下に曝すような痛烈さに満ちています。テン年代においてもノイズ/アヴァンギャルドが凄まじいカウンターであることを示す強力な一発。うっかり聴くと激しく精神的ダメージを食らいそう。

Pharmakon - Crawling On Bruised Knees by Sacred Bones Records - Hear the world’s sounds




47. Yamantaka // Sonic Titan 「UZU」

UZU

UZU

メンバーの見てくれがすでに何処ぞの宗教儀式的なキナ臭さをプンプン匂わせているのですが、音の方も山塚の名に恥じぬプログレッシブ・インディ・ハードロック一大絵巻。ただプログレとは言ってもあまり小難しさはなく、大らかなグルーヴを保ちながらキャッチーに纏められていて取っつきやすい。なんかカナダってこういうセカイ的なバンド多くないですかね。土地柄?

Yamantaka // Sonic Titan - "One" (Official Video) - YouTube




46. Women 「Public Strain」

Public Strain

Public Strain

最初聴いた時はこれが2010年に作られたものだとはとても思えなかった。狭苦しい密室の中で反響し合うようなドローン/ノイズギターと、音響処理によって彼岸からの呼び声と化したヴォーカル。まるで実験精神旺盛な70~80年代ポストパンクの発掘音源のよう。アヴァンギャルドな音の端々からひりつくような痛みがジリジリと。

Women - "Can't You See" - YouTube




45. First Aid Kit 「Stay Gold」

Stay Gold

Stay Gold

涼やかに吹き抜ける北欧からの風。乾いた哀愁を響かせるオーセンティックなフォークソングは、メジャーの恩恵を受けてよりリッチな音像へと進化しました。ソダーバーグ姉妹の表現力豊かなハーモニーだけでもご飯が何杯も進むというもの。フジロックでのライブではあどけなく初々しさがあって Kawaiiness に満ちていましたね。

First Aid Kit - Stay Gold - YouTube




44. Behemoth 「The Satanist」

その音楽性の凄まじさについては一応以前から理解してはいましたが、それがさらに禍々しく、それこそ悪魔的な苛烈さをもって迫り来る業火盤です。ブルータリティ極まるデスメタルに、ブラックメタルの持つ湿度高い情念をプラス。このバランス配分によって彼らの本領がよりリアルな形で発揮されていると思います。まさしく決定打。

BEHEMOTH - Blow Your Trumpets Gabriel - Official Video CENSORED - YouTube




43. Skrillex 「Scary Monsters and Nice Sprites」

Scary Monsters & Nice Sprites

Scary Monsters & Nice Sprites

いやあのすいませんけど好きなんすよやっぱり。家で酒飲みながらダラダラやってる時にかけてると雑にテンション上げられて良いんですよね。ただこれがダブステップと呼ばれているのは未だにピンと来てなくて、むしろガバとかブレイクコアとかそっちの類で括った方が良いんじゃないかなって。この頭スッカラカン具合は絶対そっち方面。

SKRILLEX - Scary Monsters And Nice Sprites - YouTube




42. Melt Yourself Down 「Melt Yourself Down」

Melt Yourself Down

Melt Yourself Down

ジャズの狂騒にアフロビートの狂騒、なんならトランスの狂騒もブチ込んで踊る阿呆に見る阿呆。とことんダーティで野蛮なグルーヴが支配した空間では、せせこましいジャンルのなど柵など即座に融解するし、体液撒き散らしながら踊る我々もバターの如く融解するのです。やたらとコンパクトな尺が憎らしい。もっと続けんかい。

Melt Yourself Down - Release! - YouTube




41. Pissed Jeans 「Honeys」

Honeys

Honeys

US はペンシルヴェニアの4人組。クッソ汚いディストーションサウンドで爆走するハードコアパンク。とにかく怒ってる。キレまくってます。バタバタした疾走感やノイズ塗れのギターは泥臭さ満載で、やたらと生々しい。血湧き肉躍るロックンロールの原始的快楽に満ち満ちており、これこそハードコアの醍醐味だよなと。

Pissed Jeans - Romanticize Me [OFFICIAL VIDEO] - YouTube




40. Grizzly Bear 「Shields」

Shields [帯・解説付き / 国内盤] (BRC344)

Shields [帯・解説付き / 国内盤] (BRC344)

インディロック/サイケフォークの基盤に Zep 風味のハードロック、あるいはプログレ要素も加味され、音全体に一気に深みが増したと思います。ブルージーな感触を十分に生かしながら各パートの音が密接に結ばれ、音響面におけるインテリジェントな実験性も伴い、仄暗くミステリアスな景色の中に吸い込まれていくよう。

Grizzly Bear "Yet Again" By Emily Kai Bock [Official Video] - YouTube




39. Flying Lotus 「Cosmogramma」

Cosmogramma [ボーナストラック・解説付き国内盤] (BRC254)

Cosmogramma [ボーナストラック・解説付き国内盤] (BRC254)

俺の勝手な想像ですけど、 Steven Ellison って理知的に革新性を追い求めてるというよりも、純粋な遊び心で作品を作り上げてるような気がするのですよね。自らのインプットの蓄積をもとに、自分にとって最も新鮮で興奮できるサウンドを追い求めてたらこうなった的な。なのでアヴァンギャルドでありつつエンターテインメントな側面がある。そこが良い。

Flying Lotus - MmmHmm - YouTube




38. ...And You Will Know Us by the Trail of Dead 「Lost Songs」

Lost Songs

Lost Songs

傑作 「Source Tags & Codes」 以降、横道に逸れまくって我々を翻弄していた (もしくは迷走していた) 時期を経て、この作品では久々に直球オルタナティブ・ロックンロールに回帰していて、正しく自分の求める Trail of Dead だとやんや歓喜したものです。この途方もないスケール感でありながらガッチリ地に足が着いた、王道感とインディ感の両立を成すサウンドは彼らならでは。

Trail of Dead - "Catatonic" (Official Music Video) - YouTube




37. Lydia Loveless 「Somewhere Else」

Somewhere Else

Somewhere Else

90年生まれのシンガーソングライター。ゴスめなジャケとは裏腹にカラッと乾いたオルタナ・カントリー・ポップです。若干のやさぐれたパンクっ気がありつつ、牧歌的で朗々とした歌声が単純に心地良い。オーソドックスゆえの普遍的な魅力がとても瑞々しく、堂に入った力強さも感じる。時間や場所を選ばずに聴けるポップスってとても大事なものだなって。

Lydia Loveless - Somewhere Else - YouTube




36. Protest the Hero 「Volition」

Volition

Volition

初めて聴いた 「Fortress」 が結構な衝撃だったカナダの5人組。この作品では女性ヴォーカルなどのゲストを効果的に配置し、バンドサウンド的にも従来の濃さを残しつつ、いかに大衆に食い込んでいくかという試行錯誤の跡が見られます。高度な技術を駆使しながらも、青臭さの残る衝動がまず最初にガツンと響いてくる好盤。

Protest The Hero - Underbite (Official Music Video) - YouTube




35. Arca 「Xen

Xen [輸入盤CD] (CDSTUMM374)_012

Xen [輸入盤CD] (CDSTUMM374)_012

神経症的な圧迫感と、そこはかとない艶めかしさ。エレクトロニカ/インダストリアルの新鋭は予想以上にシリアスな目つきで、シュールな実験性を持ちながら印象的にはとてもストレート。まるで何かしらの辛辣なメッセージ、警鐘を鳴らしているかのような鋭さで、冷たいビートの飛礫が身体を打ちつけ、やがて麻痺させていく。

Arca - Xen (Official Video) - YouTube




34. Thee Oh Sees 「Floating Coffin」

Floating Coffin

Floating Coffin

勢いでかっ飛ばすガレージパンク、だけど初期のゆらゆら帝国のようなジワリと光るサイケ感、そしてムッツリならではのネチっこい気持ち悪さも内包されたインディ・ロックンロール。結構な多作派で毎年何かしら音源を出しているのですが、このアルバムが最もビルドアップされた演奏で肉感的な心地良さがあり、纏まり良く仕上がってると思います。妙に中毒性が高い。

Thee Oh Sees - "Toe Cutter - Thumb Buster"(Official Music Video) - YouTube




33. Protomartyr 「Under Color of Official Light」

Under Color of Official Right

Under Color of Official Right

Joy Division に影響を受けたバンドは数多くあれど、このバンドはポスト・ハードコアな感性も手伝って、一切の媚びや甘さを感じさせない厳格なサウンドに仕上がっています。インテリジェントでありつつ骨格がガッチリしていて聴き応えバッチリ。とことん無駄を削ぎ落とした中からジワリと滲み出るロマンティシズム、これこそ男のニューウェーブ

Protomartyr - Scum, Rise! - not the video - YouTube




32. Deerhunter 「Halcyon Digest」

Halcyon Digest

Halcyon Digest

以前よりもさらに純度を高めたサイケデリック・サウンドは、同時に神経性の毒素も色濃くなり、背筋を這うようにしてネットリと纏わりついてきます。ぱっと見は優しく牧歌的でありながら、ある種の悪意であったり、死のような冷たい感覚を強烈に焼き付ける。 「Earthquake」 や 「Helicopter」 などはもはや彼岸からの呼び声のように聴こえてなりません。

Deerhunter - Helicopter (Official Video) - YouTube




31. Screaming Females 「Ugly」

Ugly

Ugly

US のスリーピース。グランジーな歪みをガツンと叩き付ける、シンプルゆえの旨味たっぷりなロックサウンド。ギター/ヴォーカル Marissa Paternoster は低めの声質でクセのある歌い方が良い意味で引っかかる強烈な個性を放っていますが、場面によってはそのヴォーカル以上にギターが雄弁に歌いまくり。その小柄な身体からは想像がつかないくらいスジの通ったギターヒロイン。

Screaming Females - It All Means Nothing (Official Video) - YouTube




30. Lady Gaga 「Born This Way」

Born This Way (Int'l Version)

Born This Way (Int'l Version)

数年前にヨーロッパ数国を旅行したことがあって、その時は何処のホテルでも MTV でガガ様がこれでもかとヘヴィロテされてまして、完全に頭に刷り込みが入ってるもんで個人的に妙な思い入れがあったりします。テン年代のセレブ・ポップアイコンってことで、これもまた雑に盛り上がりたい時に良いですね。

Lady Gaga - Judas - YouTube




29. Anaal Nathrakh 「Vanitas」

Vanitas

Vanitas

ガイキチがいつまで経ってもガイキチであることの証明。もはや削岩機かというほどのアグレッション極まるデス/ブラックメタルですが、異様にキャッチーなリフワークであったり、アクセル/ブレーキの切り返しもとことん本能的快楽に基づいていて、まあとにかく聴いててスカッとすることこの上なしなのです。憎しみはここまで人を強くするんだね。

ANAAL NATHRAKH - OF FIRE, AND F*CKING PIGS - YouTube




28. Thee Silver Mt. Zion Memorial Orchestra 「Fuck Off Get Free We Pour Light on Everything」

Fuck Off Get Free We Pour Light on Every

Fuck Off Get Free We Pour Light on Every

GY!BE のメンバーによる別働隊ということで本隊に通じる部分も多分にありますが、ヴォーカルパートを前提に作曲されているため、また一味違った世界が拓けています。殺伐とした轟音の中に漂う高らかな歌声は強烈に終末を予感させるし、痛々しいほどの緊張感に満ちていて深く惹き込まれる。根っこには Television にも通じるパンクの最も野心的なアティテュードが見え隠れ。

THEE SILVER MT ZION - Austerity Blues (excerpt) by Constellation Records - Hear the world’s sounds




27. White Lung 「Deep Fantasy」

Deep Fantasy

Deep Fantasy

再生した瞬間から衝動が迸る、ファストかつショートカットな攻撃チューンの連打連打。しかしながらポップなエッセンスの混ぜ具合が絶妙で凄まじくキャッチー。ライオットガールならではの爆走ロックサウンドは痛快この上なし。どうでもいいけど最後の曲のイントロがラルクの浸食に似てるって言われてから気付いて笑いました。

White Lung - In Your Home (Official Video) - YouTube




26. Marissa Nadler 「Marissa Nadler」

Marissa Nadler

Marissa Nadler

シンプルな弾き語りスタイルは一貫していながら、その歌の持つ魅力、聴き手の意識を支配する魔力のようなものは作品毎に強さを更新しています。このセルフタイトル作は正しく彼女の名刺代わり。暖かさと冷たさが入り混じった独自のムードには改めて聴いてもゾクゾクさせられる。やはり彼女には何かが憑いているとしか思えない。

Marissa Nadler - "Wedding" (Official Music Video) - YouTube




25. The Third Eye Foundation 「The Dark」

The Dark

The Dark

英国出身 Matt Elliott によるトリップホップの悪夢。何処まで行っても一筋の光すら見つからない、深い森の中に迷い込んだようなサイコホラー的音世界。静かなムードの中に押し込められた情念の深さ、嫌がらせレベルの辛気臭さはメンタルとの波長さえ合えばズブズブと浸れる。いつぞやの来日公演はこのエレクトロセットと弾き語りとの二本立てで強烈なものがありましたね。

The Third Eye Foundation - Anhedonia - YouTube




24. Bring Me the Horizon 「There Is a Hell Believe Me I've Seen It, There Is a Heaven Let's Keep It a Secret」

There Is a Hell, Believe Me I'

There Is a Hell, Believe Me I'

洗練されたメタルコアサウンドにデジ要素を噛ませるといった如何にも若者向けな作風で、最初は勢い任せのポッと出かと思いきや、この作品から勢いを殺さないままシリアスな悲愴感を纏わせ、メジャー感のある力強い作風へシフトし始めました。迸る青い衝動はややナイーブな印象もあるし、最近のメタリックな若手ヴィジュアル系が好きな人にもオススメ。

Bring Me The Horizon - "It Never Ends" - YouTube




23. Gold Panda 「Lucky Shiner」

Lucky Shiner

Lucky Shiner

ラッキー☆シャイナー!シャープに洗練された音像からはインテリジェントな印象を受けますが、分かりやすい曲名に分かりやすい曲調が組み合わさって、情景を喚起させやすいポップな作風。上品でキラキラした可愛らしさはある意味エレクトロニカらしいエレクトロニカと言えるかと。敷居の低さと奥深さが同居した良作です。

Gold Panda // You - YouTube




22. Grouper 「A I A」

A I A

A I A

Alien Observer」 「Dream Loss」 の微妙に方向性が違う2枚を合わせたコンセプトアルバム。しかしどちらにおいても、夜の淵をとぼとぼと彷徨うような寄る辺ない感覚、そこはかとない侘しさが通底していて、聴いてるうちにだんだん頭の中が真っ白に塗り潰されるような心地に。冷たさと温かさが混濁した孤高のドローンノイズ。

Grouper - Alien Observer - YouTube




21. Shining 「Blackjazz

Blackjazz

Blackjazz

ノルウェーの5人組。ジャズとブラックメタルでブラックジャズ!もう言ったもの勝ち。ですが実際にはプログレやインダストリアルもブチ込まれてもっと別のゴツい何かに変貌しています。苛烈極まるアグレッションをサックスの野蛮な響きがさらに助長する、なんともアヴァンギャルドな仕上がり。「21世紀の精神異常者」 カヴァーも壮絶なことに。

SHINING (NOR): Fisheye [OFFICIAL VIDEO] - YouTube




20. A Whisper in the Nosie 「To Forget」

To Forget

To Forget

テン年代に入っても辛うじて生き長らえていたミネソタの大所帯バンド。シアトリカルな要素が抜け落ちたぶんポストロックとしての側面が強調され、さらに禍々しさや悲愴感を発するようになりました。大陸的な広がりを感じさせつつ、ゴシックならではの閉塞的な息苦しさが張り詰めた、痛々しいまでに美しいサウンド。いくつになってもこういう音楽には弱いです。

A Whisper in the Noise - Your Hand - YouTube




19. Nails 「Abandon All Life」

Abandon All Life

Abandon All Life

10曲中8曲が100秒未満の不意打ち。 Kurt Ballou 先生のプロデュースにより生々しく骨身のゴツいヘヴィネスを手に入れ、持ち前のグラインド精神でとことんブッ飛ばすエクストリーム・ハードコア。とにかく引きの場面が一切なく、全てを圧殺せんとする並々ならぬ気迫が実に男前。ムシャクシャしてる時によくお世話になります。

http://nailssl.bandcamp.com/album/abandon-all-life




18. Ringo Deathstarr 「Colour Trip」

Colour Trip

Colour Trip

もう好きなものを好きなようにやりましたとしか言いようのないシューゲイザー・オブ・シューゲイザー。そういう素直な愛着こそが名曲を生むんだなと、これを聴いてると何となく思います。来日公演見に行った時はベーシスト Alex Gehring の美しさに眩暈がしたのも良い思い出ですね。シューゲイザーにとって美しさは絶対的な必須要件です。

Ringo Deathstarr - Kaleidoscope - YouTube




17. Carcass 「Surgical Steel」

Surgical Steel

Surgical Steel

正直俺は生粋のメタルファンの方々ほどカーカスに対する思い入れは無いんですけども、これは素晴らしいと思いました。良い意味でベテランらしからぬ落ち着かない激しさと、泣きメロの成熟味、またグロテスク趣味の野蛮さとのバランスが極上。ここから過去作を遡って聴いていくと、この復活作の味わい深さが一層増してきますね。

CARCASS - Captive Bolt Pistol (OFFICIAL LYRIC VIDEO) - YouTube




16. Godspeed You! Black Emperor 「Allelujah! Don't Bend! Ascend!」

Allelujah! Don't Bend! Ascend!

Allelujah! Don't Bend! Ascend!

4曲55分。その間 GY!BE ならではのアポカリプティックな音の嵐が轟々と巻き起こる。余りにも苛烈で、余りにも辛辣。中弛みの瞬間など微塵もなく、凄まじい集中力と緊張感を持って展開されるポストロックの神髄。それはもう、他の追随など一切許さない威厳と矜持、迂闊には近寄りがたい聖性に貫かれています。

GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR - Mladic by Constellation Records - Hear the world’s sounds




15. Arctic Monkeys 「AM」

AM

AM

デビューした当時はそこまでハマらなかったのに、何となく追っているうちにこんなに面白い存在になるとは。いつの間にかすっかりスタジアム級の風格を身につけたこの猿たち。70年代ハードロックのエッセンスを孕みつつ、ファットなグルーヴから滴り落ちる色気が憎らしいほどに格好良い。今の時代にリーゼントがあんなにキマるバンドマンは Alex Turner をおいて他にない。

Arctic Monkeys - R U Mine? - YouTube




14. Gang Gang Dance 「Eye Contact」

Eye Contact

Eye Contact

パワフルなドラマーが加わったことでサウンド全体の骨組みが強化されたのと、各楽曲のコンセプト、役割が明確になって粒立ちが良くなり、以前にも増して隙無しのスタイルを構えるインテリアートポップ集団。プログレッシブに見えて実は分かりやすいベタさがあるのがミソですね。シャーマニックなインナーワールドの拡張深化。

Gang Gang Dance - MindKilla (Official Video) - YouTube




13. The Body 「I Shall Die Here」

I Shall Die Here

I Shall Die Here

極道死体デュオと The Haxan Cloak 、二組の重低音フリークスがタッグを組んだということで、言うなればあからさまに表出した野蛮な狂気と、知能犯による内なる狂気の融合。とりあえずロクでもないということは分かって頂けるかなと思います。漆黒のインダストリアル・ノイズ世界は、メタルの持つ可能性をまたひとつ押し広げたのではないかなと。

The Body - Hail To Thee, Everlasting Pain [Official Audio] - YouTube




12. Grimes 「Visions」

Visions

Visions

リリース当時のインタビューを読むと生活的に結構な背水の陣だったようで、一見楽天的そうなサブカル女子こそ実は腹の括り方が違うということもある。大正九年もそんな感じだったような覚えが。ともかく己のセンスのみを武器に作り上げたゴスカワ宅録シンセポップは、インディシーンにおけるひとつの希望のようにも映ります。

Grimes - Oblivion - YouTube




11. Crystal CastlesCrystal Castles

Crystal Castles

Crystal Castles

このバンドもそもそもはライブから入ったクチなので、そういうパターンって結構思い入れが深くなるのですよね。エレクトロサウンドのチープさ加減と、キッチュなポップ感、そしてそこはかとないゴス要素の毒々しさ、ハードコア要素の悪意。それらの絶妙なバランスによるストレンジな魅力は中毒性が高かったです。残念ながら昨年解散。

Crystal Castles - Not In Love ft. Robert Smith of The Cure - YouTube




10. Passion Pit 「Gossamer」

Gossamer

Gossamer

例えば 「Republic」 期の New Order をビルドアップしたような、最新型のエッジィな刺激がありながらも、ノスタルジックで親しみやすい質感を持ち合わせた激甘のポップネス。刹那的で、享楽的で、胸がはちきれんばかりに感傷的。それはもうなんか、泣けるくらいに夏じゃないですか。なんだかんだで明確な意志を持ってメインストリームを目指したポップスは強いのだ。よーし俺もゴッサマー!

Passion Pit - I'll Be Alright (Genero.tv Competition Winner) - YouTube




9. Aphex Twin 「Syro」

時代の流行など全くもって何処吹く風といった風情で、13年ぶりの新作でも我が道を突き進み続けるリチャード御大。アシッド、アンビエントIDM といった過去の変遷を総括し、エイフェックスとしか言いようのない個性を分かりやすく再定義した決定盤。ちゃんとダンサブルだというだけでも自分的には結構驚きだったり。

Aphex Twin - minipops 67 [120.2][source field mix] - YouTube




8. Jónsi 「Go」

Go

Go

躍動感あるリズムを取り入れる、という手法は Sigur Rós 本隊の作品でも取り入れていましたが、その路線を引き継いでよりオーケストラルな装飾を増した結果、まるで桃源郷のようなファンタジックで多幸感に満ちた世界が拓けました。全編目が眩むほどの鮮やかさで満ちており、華やぐ春の到来を音のみで完全再現したかのよう。彼のキャリアの中でも最も取っつきやすい、ヨンシー流のバロックポップ。

Jonsi - "Animal Arithmetic" (OFFICIAL VIDEO) - YouTube




7. These New Puritans 「Field of Reeds」

Field of Reeds

Field of Reeds

ポジティブ・パンクからゴシック・アートへ。ロックバンドの枠を解体して更なる深みへと手を伸ばす、そのストイックな実験精神に貫かれたサウンドは強い美意識を持って迫り、ともすれば痛々しいほどの気迫。もしかすると70~80年代に This HeatPublic Image Ltd. などをリアルタイムで追っていた人も同じような感覚を抱いたかもしれません。孤高の美しさ。

These New Puritans - Fragment Two (Official Video) - YouTube




6. Primal Scream 「More Light」

More Light

More Light

「XTRMNTR」 以来のキャリア総括的な内容であり、プライマル健在を改めて力強く証明した大傑作。ドラッギーであり、セクシーであり、ポジティブであり、何よりもロックンロール。ボビーが 「Open Your Eyes!」 と叫べば我々は迷いなくそうするべきだし、 「It's Alright, It's OK!」 と叫べばもはや全てはそうなのです。ここに来てまたも芳醇な脂のノリを見せるとは何とも頼もしい。

Primal Scream - It’s Alright, It’s OK (Official Video) - YouTube




5. Oneohtrix Point Never 「R Plus Seven」

R Plus Seven [輸入盤CD / 豪華デジパック仕様] (WARPCD240)

R Plus Seven [輸入盤CD / 豪華デジパック仕様] (WARPCD240)

先行配信された 「Still Life」 の MV をうっかり先に見てしまったせいというのもありますが、一見心地良いアンビエント/ニューエイジ的な内容でありながら、裏側には得体の知れないネチっこい悪意が充満しているようで、何だか怖いもの見たさにも似た妙に強い吸引力を放っています。その意味で Daniel Lopatin は Richard D. James を強く連想させるのですよね。その奇行具合、底意地の悪さが。

Still Life (Betamale), Jon Rafman + Oneohtrix Point Never, 2013 on Vimeo




4. Cloud Nothings 「Here and Nowhere Else」

Here & Nowhere Else

Here & Nowhere Else

骨身を擦り切らせるようにして放たれる高速インディ・パンクロック、それは一見ナード風の青年たちが窮鼠の体で全力を込めるからこそ、緊張感やリアリティが増しているのかもしれません。ライブを見ても痛感しましたが、ひたすらに生き急ぐような切迫した勢いでの演奏で、こちらも熱くならざるを得なかった。積もり積もった鬱屈を燃やす青白い炎。そしてどの曲もしっかりポップでキャッチーに仕立て上げられている、その手腕はもはや職人技の領域。

Cloud Nothings "I'm Not Part of Me" (Official Video) - YouTube




3. Arcade Fire 「Reflektor」

Reflektor

Reflektor

「Funeral」 以降も着実に進化/発展を遂げ、いつの間にやら世界クラスのトップバンドと化した彼ら。それでも良い意味でインディらしい探究心や、彼ら本来の深遠な世界を表現するパワーは一切損なわれていませんでした。この現時点での新作では James Murphy と組んで70年代ディスコサウンドの要素を取り入れ、それが奇妙なマッチングを見せて世界観をさらに拡張させることに成功しています。ゼロ年代きっての化物バンド。

Arcade Fire - Reflektor - YouTube




2. Daft Punk 「Random Access Memories」

Random Access Memories

Random Access Memories

かつて 「Discovery」 でテクノのみならずポップシーン自体を更新した彼らが、この作品によってまたしても新たな潮流を生み出そうとしています。過去の時代を煌びやかに彩ったディスコ/ファンクサウンド、それは美しい青春の再現であると同時に、最近のヒットチャートへの渾身のカウンターでもある。会場に居た聴衆全てを笑顔で躍らせていたグラミーでのパフォーマンスはひとつの奇跡を体現していましたね。

Daft Punk - Get Lucky (Full Video) - YouTube




1. James Blake 「James Blake」

James Blake

James Blake

ポスト・ダブステップの実験的かつ尖鋭的な音像もさることながら、そこに詰められた歌の持つ悲哀、優しさ、または気品といったニュアンスに富んだ感情表現が、サウンドと相まって底知れない深みを持って迫ってくる。おそらくテン年代にデビューした若手の中では最も名実ともに成功した例ではないでしょうか。聴くほどに冷たい水のように身体に浸潤し、いつの間にかすっかりその歌の魅力に心酔していました。結局のところ自分は感情的な歌というものに一番強く反応するのだなと。

James Blake - The Wilhelm Scream - YouTube