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sukekiyo 二〇一五年公演 「The Unified Field」 -双卵の眼- @ 梅田CLUB QUATTRO

LIVE

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unify =統一化。相反するふたつのものを。


先鋒ノベンバ。昨年の新作リリースツアーにおいてはマジで倒れる人が出るくらいのボリュームを放っていたのですが、今回は PA 後ろの最上段にいたのもあってか、非常にバランスの良い音響で楽しめました。思考の一切を奪い去り、目の前を真っ白に塗り潰すかのようなウォール・オブ・ノイズ。不穏な緊張感と、不意に訪れる柔らかさ。フロントマンの小林祐介は、ギターを掻き鳴らしながら身を振り絞って絶叫する、その挙動ひとつひとつに確固たる美意識が宿っているようで、こんなにステージで映える立ち振る舞いをする人だったかと驚かされた。殺気立った暗黒の轟音を散々に叩き付けたあとの 「GIFT」 はあまりにも眩しく、彼らは光と闇をひとつに統一化していました。


中堅メリー。結成したての頃から知ってはいたものの、実際にライブを見たのは昨年末の CDJ が初という。今回のイベントでは最もライブらしい、熱狂と歓声が溢れるステージ。同期でベースを鳴らしているとはいえ、他の2アクトに比べると音圧の薄さは拭い切れないのですが、そこはもう演者のガッツでカヴァー。ネロはたびたび 「全身全霊」 という言葉を口にしていましたが、わずか30分の間に気力を使い果たす勢いのプレイは良い意味でキャリアを感じさせない熱さがありました。彼らのこういう体育会系的な熱血ノリは見る側にとっても気持ちが良い。彼らの熱血は何故だかクサくなくて真っ直ぐに響いてくるんだよな。その熱さに応えるようにオーディエンスの反応も健気と思えるほどに熱い。激しさと優しさが溢れたフロアで、メンバーとファンの思いは統一化されていました。


大将スケキヨ。バンドとしては今回の中で最もキャリアが浅い、にも拘らず彼らのスタイルはすでに、ひとたびの完成から更なる先を目指す凄みに満ちたものでした。リズム隊のヘヴィな鳴りを基盤とし、ギターとキーボード、そして京のパフォーマンスが自在に色や姿を変える。ムスリムのチャドルのような布を靡かせながら、肢体を蛇のごとくしなやかにうねらせ、顔から浴びた水で全身がずぶ濡れになり、そのままステージの床をずるりと這いずる。その挙動が原色のライトで仄暗く照らされると極めて女性的な艶めかしさが発せられ、思わず溜め息が零れるほどの妖しい色気。しかし目の前にいるのは全身を墨で彩られ、完璧に仕上げられた筋肉美。ステージの上で激しく性的な倒錯が起こっている。京は自ら身体を張ってジェンダーの統一化を図っていました。


そして、スケキヨのライブでは最後に京が 「おやすみ」 という言葉を残して颯爽と去って行く、これが定番になっていると聞いていました。今回のライブでも同様でしたが、緊張の緩む暇がまるでなく、また上記のように自分の感覚が麻痺し、歪められるかのようなパフォーマンスを見せられている最中は、そのショウこそがなんだか悪い夢のように感じられました。おやすみの合図で夢から覚めるとなれば、自分がどちらの世界にいるのか区別がつかなくなってしまう。彼らは夢と現実を統一化して去って行ったのでした。


<セットリスト>
THE NOVEMBERS:
1. 永遠の複製
2. 236745981
3. Blood Music. 1985
4. dogma
5. Xeno
6. GIFT

MERRY:
1. iNtO the mARkeT
2. NOnsenSe MARkeT
3. 不均衡キネマ
4. 絶望
5. Zombie Paradise ~地獄の舞踏曲~
6. Carnival
7. 千代田線デモクラシー

sukekiyo:
1. elisabeth addict
2. leather field
3. dunes
4. zephyr
5. focus
6. 鵠
7. 烏有の空
8. in all weathers