BOOM BOOM SATELLITES 「SHINE LIKE A BILLION SUNS」

SHINE LIKE A BILLION SUNS(初回生産限定盤)

SHINE LIKE A BILLION SUNS(初回生産限定盤)

約2年ぶりとなる9作目。


メンバーの川島道行は度重なる脳腫瘍で余命もすでに宣告されているらしく、そんな状況で制作されたという情報が先入観になっているかもしれませんが、今の彼らは最先端のビートで踊らせるといったことよりも、自らのエモーションを最大限に発露する、内面的な部分を重要視しているように思います。自らの信念を音に込め、 BBS としての仕事を全うするという使命感。そのためかここ最近はこれまでのキャリアの集大成を見せる作品が続いていましたが、今作もその延長線上。身体を突き上げるデジタルビートがあり、空間を埋め尽くす緻密なギターサウンドがあり、扇情的なアグレッションと聴き手を圧倒する重厚さが混在しています。ただ今回は空間的なサウンドデザインの方に重きが置かれており、スペーシーな奥行き、広がりはまさにアルバム表題にもある太陽、宇宙的な壮大さを感じさせます。そして風通しの良さが印象的だった前作 「EMBRACE」 に比べると、物理的なヘヴィネスも数割増し。もはや音的に新しい発見がないのはいささか寂しさも感じますが、とにかく自分達のスタイルはこれなのだという、色んな意味での重みに貫かれています。

Rating: 6.7/10



BOOM BOOM SATELLITES 『A HUNDRED SUNS』