Screaming Females 「Rose Mountain」

Rose Mountain

Rose Mountain

ニュージャージー出身の3人組による、約3年ぶり5作目。


今回のプロデューサーが Matt Bayles という人物。この人がかつて Mastodon や Isis などの傑作を手掛けた名手ということで、もともとグランジオルタナティブに根差したロックンロールを志向していた彼女らとは面白い組み合わせだなと。それで実際の内容は、密に詰まって毛羽立ったディストーションギターが以前よりもくっきりとしたアグレッションを放っており、なかなか痛快な聴き応え。ただすっかり HR/HM 志向になったかというとそうでもなく、良い意味での軽さ、演奏面のラフな感触も残されています。このバンドはやはりフロントマン Marissa Paternoster の個性が圧倒的。女性らしい艶やかさがありつつ、胆の座った迫力とある種のネチっこさ、突き放す冷ややかさ、そして気高さすらも感じさせる歌声。またそのヴォーカルと同等以上に歌いまくるギターの雄弁さが、絶妙にポップで野蛮なロックンロールの旨味を滴らせている。ただ今回は硬く引き締まったサウンドを獲得した一方で、バンドが一丸となって生み出すグルーヴ、生々しい空気感は薄れたような気もします。この辺は前作での Steve Albini マジックが大きかったのかなあ…と。それでも佳曲は多数。

Rating: 7.4/10



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