分島花音 「ツキナミ」

ツキナミ

ツキナミ

東京出身のシンガーソングライターによる、4年7ヶ月ぶり3作目。


聴くのがもうデビュー作の 「浸食ドルチェ」 以来なのですが、聴き始めはこんな人だったっけ?とすっかり目が点になりました。以前は Mana 様プロデュースによるエレガント・ゴシック・ロリータの世界観を強固に構築したエレクトロポップだったと記憶していますが、長いインターバルを経ての本作は完全にイメチェン。アニソンらしい勇壮さ、あるいはロキノン文脈のタイトな疾走感を携えた、なんともエネルギッシュで抜けの良い仕上がり。ストリングスを比較的多用してるなど以前のクラシカルな要素も残されてはいますが、いかにもゴスロリといったファンタジックな雰囲気はかなり後退。本人のヴォーカルも随分とヒロイック、場面によってはエモーショナルとも言えるほどの高揚を見せていたりと、かつて作り上げたイメージを敢えて打破しようとする意気込みが楽曲全体から強く伝わってきます。かつてはどうも彼女本人の個性が見えづらく、着せ替えの傀儡のような印象を受けていたのですが、今回は自由度の高い表現を掴んでようやく本領が表れてきたという感じ。この大胆な変化は、自分は支持したいです。

Rating: 7.8/10



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