中島卓偉 「煉瓦の家」

煉瓦の家

煉瓦の家

1年半ぶりとなるオリジナルフルレンス9作目。


迷える人よ、中島卓偉を聴きなさい。すべての正解はここに詰まっています。前作 「BEAT & LOOSE」 に続き、軽快かつ骨太なポップロックに乗せて放たれる卓偉アニキの人生訓の数々。それはもう単刀直入な曲タイトル見ただけで伝わるはず。時には哀しみや苛立ちを包み隠さず曝け出し、それでも背中をズバンと押してくれる熱きメッセージの数々。遠回りしてもいいと。けれど絶対にへこたれるな、妥協するなと。何かを伝えたい時は素直になれと。もう中島卓偉か松岡修三かっていう。それは人によっては暑苦しく押しつけがましいものとして映るかもしれませんし、下手すれば高圧的だ、ブラック企業かと揶揄されるかもしれない。そんなことはとっくに承知ずみ、それでも言いたいことをズバッと言ってのけるアニキの漢気。今時ここまで何の比喩もなしに、明確なメッセージのみをきっぱり歌い上げるシンガーは他にはいないでしょう。クローザー 「PUNKY SIXTEEN BOY」 で赤裸々に綴られているように、決して夢を諦めなかった彼だからこその説得力。これは斜に構えがちな10代よりも、ある程度世の中が見えてきたアラサ―以上の方が強く響くかもしれません。

Rating: 7.9/10



中島卓偉『続けろ』(Takui Nakajima「HOLD ON!」) (MV) - YouTube