GOATBED 「The optimist sees the doughnut, the pessimist sees the hole」

The optimist sees the doughnut, the pessimist sees the hole

The optimist sees the doughnut, the pessimist sees the hole

1年8ヶ月ぶりとなるミニアルバム。


最近の兄弟編成となった GOATBED における石井秀仁は、歌い手ではなくダンスプロパーなテクノアーティストとしての側面を打ち出そうとしていました。ミニマル/アシッドな90年代テクノ路線へと舵を取り、自らの声もあくまでサウンドデザインの一要素という扱い。それはそれで刺激的なスタイルではあったのですが、個人的にはやはり彼の艶やかなヴォーカルをフィーチャーした方が、 GOATBED としての個性がより色濃く表れると思うのですね。そこで今作はシャープに洗練された音像こそ引き継がれていますが、その中に彼のメロディセンスが絶妙に生かされたポップな構成が目立ち、若干80年代ニューウェーブへの揺り戻しがきているように思います。 「ROSE & GUN」 や 「FORM SWEET FORM」 などはアップリフティングなダンスビートの上に、涼やかな風がそよぐようにメロディが乗っかる、もうゴートの十八番とも言うべきキラーチューン。また 「Poisonous red hair and melancholy fireworks」 「踊らない症候群」 といったダンストラックでは無機質なクールネスと同時にエッジィで直情的な熱量が立ち昇る。実験要素の更なる咀嚼消化。

Rating: 8.0/10