envy 「Atheist's Cornea」

Atheist's Cornea

Atheist's Cornea

4年7ヶ月ぶりとなるフルレンス6作目。


元来のパンク/ハードコアの激情から、所謂ポストロック/ポストメタルの壮大なスケール感へ。前作 「Recitation」 はその変遷をひとつに纏め上げ、悲愴感よりもポジティブな暖かみを感じさせる作品でしたが、今作は全8曲というコンパクトな構成で、アルバムトータルとしての完成度をさらに突き詰めた内容になっています。轟音も疾走も、絶叫も静寂も、必要なものが必要な分だけ入ってる。 「Shining Finger」 のローズピアノや 「Ticking Time and String」 のストリングスといった装飾も、彼らの目指す表現に不可欠なものとしてバンドサウンドと上手く絡み合ってるし、 「Footsteps in the Distance」 で挿入されるメロディも密やかに胸を打つもの。 envy としての個性が精錬され、無駄のない美しさをもって表現されています。正直言って目新しさはなく、良くも悪くも安心安定といった感じではあるのですが、もはやベテランの域に差し掛かった彼らの持つ凄味、力強さは十分に打ち出されているかと。あと個人的にはリード曲 「Ignorant Rain at the End of the World」 にどうしてもVを感じずにはいられない。前作もそんな曲あったし、抗えない日本人の血ゆえか。

Rating: 7.2/10



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